●民の口を防ぐは水を防ぐよりも甚だし

読み(ひらがな)

たみのくちをふせぐは、みずをふせぐよりも はなはだし。

意味

民衆の口をふさいで、言論をおさえつけてしまうことは、国にとっては、はなはだ危険である、ということ。

解説

民衆の言葉による議論の場を奪い、民衆の口を動かせないようにすることは、国家にとって非常にあぶないことである、ということのようです。 国民が求めている言論をおさえつけてしまうことは、川の氾濫を防ぐよりも難しく、いちど、民衆のいかりが、爆発すると、国が乱れ、とても あぶないことになってしまう、ということのようです。同じ、「防ぐ」でも川の水を防ぐのと、民衆の口をふさぐとでは、全く違う結果を引き起こすから、 民の口をふさぐようなことをしてはいけない、という戒めで、同じ響きのする言葉を使った、「ことばあそび」のようなことわざだと思います。

重要語の意味

民=「たみ」と読み、民衆。多くの国民。  口=「くち」と読み、言葉をしゃべる時に使うくち。言論。  防ぐ=「ふせぐ」と読み、害を受けないようにくいとめる。ふさぐ。  水=「みず」と読み、川の水。川の氾濫。  甚だし=「はなはだし」と読み、ふつうの程度を大きく超えているようす。おおいに。  民衆=「みんしゅう」と読み、世の中のふつうの人たち。しょみん。  ふさぐ=手でおおって動かなくする。  言論=「げんろん」と読み、言語によって考え方や意見などを表にあらわすこと。言語による議論。  おさえつける=権力などによって相手の自由をうばう。  はなはだ=ひじょうに。  危険=「きけん」と読み、あぶないこと。  議論=「ぎろん」と読み、意見や考え方を伝えて問題点などを話し合うこと。  場=「ば」と読み、行動を起こすための時と場所。  奪う=「うばう」と読み、とりあげる。なくしてしまう。  氾濫=「はんらん」と読み、川の水が堤防を越えてあふれ出ること。洪水。  難しい=「むずかしい」と読み、かんたんでないこと。  爆発=「ばくはつ」と読み、おさえていたいかりなどがいっきに表に出ること。  響き=「ひびき」と読み、ことばの聞こえ方。音韻。 

いわれ(歴史)と重要度

史記・周本紀。   国語。    重要度=☆☆☆     難易度=ふつう

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