●有漏無漏

読み(ひらがな)

うろ むろ

意味

煩悩という心の汚れがある者と、心の汚れのない者のこと。

解説

この四字熟語は、初めのころの仏教のお経の中で使われていることばで、漏とは、六根から心が、外の世界へ流れ出ることを意味しているようです。 六根が、外の世界に対して、何かを求めようとした時、心の中に煩悩が生じてしまう状態を有漏というようです。 反対に、煩悩の心をおこすことのない清らかな心の状態を無漏というようです。無漏の心の状態では、六根への執着が ないので、煩悩の心が生じないということのようです。六根は、見る、聞く、味わう、かぐ、さわる、思うという6つの感覚を つくり出すもととなるところですが、この六根が、有漏の状態である時、心の中に、むさぼり、いかりやうらみなどの 煩悩が生じ、その思いが、外の世界へ流れ出るということだと思います。たとえば、あるものを見た時、その見たものが 欲しくなり、なかなかそのことを忘れられない心の状態を有漏というのだと思います。

重要語の意味

有漏=「うろ」と読み、漏がある状態。煩悩。取蘊。有諍。  無漏=「むろ」と読み、漏がつきてなくなった状態。  漏=もれる。当人に知られることなく六根より心が流れ出ること。「ろう」とも読む。  煩悩=「ぼんのう」と読み、欲によって生じる心の中のけがれ。むさぼり、いかり、ぐち、いばり、うたがいなどのこころ。  心=「こころ」と読み、人の体の中にあると考えられているもので、感情、思いや考え、意志、知識などを生じるところ。  汚れ=「けがれ」と読み、心が乱れてきたなくなること。よごれること。  仏教=「ぶっきょう」と読み、紀元前5世紀頃、お釈迦さんによってはじめられた教えで苦しみの解決の方法を説く。  六根=「ろっこん」と読み、6つの感覚器官。目、耳、鼻、舌、身、意。見る、聞く、味わう、嗅ぐ、触る、思うの感覚をつくり出すところ。  生じる=「しょうじる」と読み、うまれる。おこる。  状態=「じょうたい」と読み、ものごとのある時のようす。ある時のありさま。  感覚=「かんかく」と読み、外の世界から受け取ったものを目、耳、鼻、舌、皮膚などに感じて心の中に生じるもの。  執着=「しゅうちゃく」と読み、あるものを繰り返し求めようとする心。とらわれの心。思い切りのできない心。 

いわれ(歴史)と重要度

阿含経。   倶舎論。   重要度=☆

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有漏無漏


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