●人は見目よりただ心

読み(ひらがな)

ひとは みめより ただ こころ。

意味

人は、顔かたちの美しさよりも、心の美しいことのほうが、大切である、ということ。

解説

人の目と鼻と口が、美しくととのっていることよりも、心の中が、きれいであることのほうが大切である、ということのようです。 顔かたちが美しいことも大事なことですが、それ以上に大切なものが、心の持ち方で、人がさまざまなことに接した時、どのような気持ちを いだき、どのように思うかが、心の美しさに関係しているのではないかと思います。たとえば、うれしい、たのしいと感じる時は、だれでも 悪いことは考えないので、心の美しさにつながり、逆に、腹立たしい、悲しいなどのマイナスの感情を持った時、ものや人にあたり、憎んだり することは、心の汚さにつながってしまうのではないかと思います。ですから、マイナスの思いが生じた時には、できるだけその思いを大きく ふくらませないように注意することが大切だと思います。 また、顔かたちの美しさだけに心がうばわれてしまうと、その心のとらわれは、やがて、汚れた心に変わってしまう場合があると思います。 そして、なぜ、心が美しいことが大切なのかを考えてみますと、心が汚れると、それは煩悩になってしまうからだと思います。

重要語の意味

人=「ひと」と読み、人間。言葉を使いさまざまなことを思い考える知能の高い動物。  見目=「みめ」と読み、顔だち。顔のかたち。目と鼻と口がどのようになっているか。  ただ=他のこと(見目)を考えないでそのこと(心)だけを大切にすること。  心=「こころ」と読み、目に見えないが人間の中にあり、感情、意志、知識などの働きをすると考えられているところ。  感情=「かんじょう」と読み、うれしい、腹立たしい、たのしい、悲しいなどの気持ち。  意志=「いし」と読み、あることをしようとする思いや考え。  知識=「ちしき」と読み、知っていること。記憶とも考えられる。  美しい=「うつくしい」と読み、きれい。形や色などが心地良く感じること。整っていること。  大切=「たいせつ」と読み、重要なようす。だいじなようす。  腹立たしい=「はらだたしい」と読み、怒(おこ)っている心のようす。  あたる=@もんくをいう。Aぶつかる。  憎む=「にくむ」と読み、人の態度などが気に入らなくてその人に害を加えたいと思うこと。  汚さ=「きたなさ」と読み、よごれ、乱れていること。  とらわれ=意識がある1つのことにとどまって他の考えなどが及ばない心の状態。固定観念に縛られること。  汚れ=「よごれ」と読み、きたないこと。  煩悩=「ぼんのう」と読み、心をわずらわしなやませるもの。仏教ではこの心の状態は苦しみを生む原因をつくると考える。 

いわれ(歴史)と重要度

北条氏直時分諺留。   重要度=☆☆☆

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