●人飲食せざる者なし、よく味わいを知る者鮮し

読み(ひらがな)

ひと いんしょくせざるものなし、よくあじわいをしるもの すくなし。

意味

誰でも飲んだり食べたりするけれど、その味わいをよく知っている者は、少ないということ。

解説

飲食の味わいとは、食べ物の外観、味覚、匂い、舌の感触などが関係しながら 生じると考えられます。この中で、重要な味覚には、塩味、甘味、酸味、苦味が あるようです。この4つの味の組み合わせで、食べ物の微妙な深みが感じられるのではないかと思います。 具体的には、旨味や辛味、渋味などがありますが、多くの人は、味の濃い甘いものや、しょっぱいものに 関心が強く、素材そのもの味の深みをよく心得ている人は少ないのかもしれません。 特に、甘い食べ物は、脳がここちよく感じるので、たくさん食べたいという気持ちが起こるようですから、 糖質依存にならないよう注意したほうがよいと思います。食事の時は、食べ物に感謝し、しっかりかんで、 味わいながらいただきましょう。 ことわざが示す味と同じように、学問についても同様のことが考えられるようです。

重要語の意味

飲食=「いんしょく」と読み、飲むことと食べること。  せざる=しない。  者=「もの」と読み、ひとをあらわすことば。  味わい=「あじわい」と読み、飲食物の味や匂いなど。味の深み。  知る=「しる」と読み、わかる。  鮮し=「すくなし」と読み、すくない。まれである。めずらしい。  誰=「だれ」と読み、自分以外のいろいろな人。  飲む=「のむ」と読み、のみものを口に入れのどをとおす。  食べる=「たべる」と読み、食べ物を口に入れかんで飲みこむ。  外観=「がいかん」と読み、外から見たようす。  味覚=「みかく」と読み、舌で感じられる基本的な四つの感覚。塩味、甘味、酸味、苦味。五つとする考え方もある。  匂い=「におい」と読み、かおり。  舌=「した」と読み、口の中にあり、食べ物の味を感じるところ。  感触=「かんしょく」と読み、外からのしげきにふれて感じるもの。  塩味=「しおみ」と読み、しょっぱいあじ。塩、みそ、しょうゆなど。  甘味=「あまみ」と読み、あまいあじ。さとう、バナナ、もも、すいかなど。  酸味=「さんみ」と読み、すっぱいあじ。酢、レモン、梅干しなど。  苦味=「にがみ」と読み、にがいあじ。コーヒー、緑茶など。  微妙=「びみょう」と読み、はっきりとしないが複雑で、おもむきがあること。  感じる=「かんじる」と読み、舌で味に気づく。  旨味=「うまみ」と読み、肉や魚などのたんぱく質から感じられるあじ。グルタミン酸、イノシン酸など。  辛味=「からみ」と読み、からいあじ。しょうが、とうがらし、わさびなどに含まれるあじ。素材に風味をそえるあじ。  渋味=「しぶみ」と読み、しぶいあじ。落ちついた深い味わい。  濃い=「こい」と読み、味が強い。  素材=「そざい」と読み、料理をする時の材料。  心得る=「こころえる」と読み、わかっている。  糖質依存=「とうしついぞん」と読み、ストレスが増すと、それを和らげようと食欲がわき甘いものを食べようとすること。  味わう=「あじわう」と読み、食べ物の味覚を楽しむ。 

いわれ(歴史)と重要度

礼記・中庸。    荀子・勧学。    老子・十二章。   重要度=☆       難易度=むずかしい

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飲食
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