●鬼の空念仏

読み(ひらがな)

おにの そらねんぶつ。

意味

思いやりがなく、平気で残酷(ざんこく)な、ひどいことをするような人が、 情け深いようなことを言ったり、おもてだけ、仏様のような慈悲深い態度をしてみせることのたとえ。

解説

人から嫌われている、ひどい鬼が、心には、全くそんな気持ちがないくせに、 念仏を唱えてみせるということから生まれた句。音吉は、「おにのからねんぶつ」と発音すると思っていました。 単に、「鬼の念仏」とも言います。 実際に、「鬼の念仏」という題名の絵が、江戸時代にあったようで、今の滋賀県の大津の みやげ物として、売られていたようです(大津絵)。その絵は、鬼が、お坊さんの 姿をして、念仏を唱えている絵のようです。

重要語の意味

鬼=怖いもの、恐ろしいものの代表として、人間が考え出した 想像上の生き物。目に見えないが、全ての人の心の中に住んでいるものかもしれない。  空=「そら」と読み、@うそ。真実でない。 A心があることに向いていないこと。  念仏=「ねんぶつ」と読み、心の中で、仏様のことを思い浮かべ、 その名前を、口でいう言葉。主には、「なむあみだぶつ」。  残酷=「ざんこく」と読み、あまりにもひどい、情けのないやり方。  慈悲深い=「じひぶかい」と読み、情け深いこと。あわれみいつくしみ深いこと。 

いわれ(歴史)と重要度

大津絵(おおつえ)、鬼の念仏。   重要度=☆☆☆   

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