●大慈大悲

読み(ひらがな)

だいじ だいひ

意味

仏の広大無辺な慈悲のこと。

解説

観世音菩薩が持っている広くて限りない慈悲のことで、 「慈」は、人々に楽を与えようとするいつくしみの心、 「悲」は、人々が苦しみの原因を覚らず、苦しんでいることに同情し、 その苦しみを取り除いてやりたいと思う心のようです。 観音経の中では、慈悲を次のようにたとえています。 「悲体の戒は雷震の如く、慈意は妙大雲の如く、 甘露の法雨をそそぎ、煩悩の焔を滅除す。」

重要語の意味

大慈=「だいじ」と読み、人々に楽を与えようとする大きないつくしみの心。「だいず」とも読む。  大悲=「だいひ」と読み、人々の苦しみを取り除きたいと思う大きなあわれみの心。  慈=いつくしみ。めぐみ。  悲=あわれみ。なげきいたむ。  仏=「ほとけ」と読み、悟りの境地に至った者。ブッダ。法雲地の菩薩。  広大無辺=「こうだいむへん」と読み、広くて限りのないこと。  慈悲=「じひ」と読み、あわれんでいつくしむ心。  観世音菩薩=「かんぜおんぼさつ」と読み、慈悲深い菩薩の代表。観自在菩薩。  観音経=「かんのんぎょう」と読み、法華経、第二十五品の観世音菩薩普門品。  悲体の戒=「ひたいのかい」と読み、仏が本来持っている体質としてのいましめ。  雷震=「らいしん」と読み、かみなりの振動。仏の戒が人々の心に反省の心を生じさせる様を雷の振動にたとえた。  如く=「ごとく」と読み、ように。  慈意=「じい」と読み、いつくしみの心。  妙大雲=「みょうだいうん」と読み、たえなる大きな雲。  甘露=「かんろ」と読み、あまいつゆ。  法雨=「ほうう」と読み、仏の教えの雨。  煩悩=「ぼんのう」と読み、貪瞋痴。欲によって生まれる苦しみ。  焔=「ほのお」と読み、煩悩によって燃え上がる炎。  滅除=「めつじょ」と読み、こわしてとりのぞく。炎を消して煩悩を取り除く。 

いわれ(歴史)と重要度

法華経・譬喩品。   重要度=☆☆☆   難易度=むずかしい

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大慈大悲


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