●五十歩百歩

読み(ひらがな)

ごじっぽ ひゃっぽ。

意味

少しの差があっても、本質的には同じであること。似たり寄ったりであること。

解説

このことわざは、孟子という古典にのっている言葉です。 梁という国の国王が孟子に自分の政治は、しっかり行っているのに 他の国より人民が増えないのは何故か、と聞いた時のたとえ話です。 内容は次のようなものです。 「戦場で戦いが始まる時、兵士が武器を捨てて逃げ出しました。 ある兵士は50歩逃げて、ある兵士は100歩逃げたとき、 50歩逃げた兵士が、100歩逃げた兵士を臆病であると笑いました。 この事について、どう思うか、孟子が国王にたずねたら、国王は、 それはだめです。50歩も100歩も逃げたことに変わりはないと 答えました。」という故事です。さらに、 孟子は、国王に対して自分の失敗を凶作などのせいにするのではなく、 自分の政治が悪いことを自覚してみなさいと助言をしたということです。

重要語の意味

五十歩=「ごじっぽ」と読み、50歩あるくこと。歩は、あるくときの足の動いた回数。  百歩=「ひゃっぽ」と読み、100歩あるくこと。  差=「さ」と読み、ちがい。  本質的=「ほんしつてき」と読み、根本的な性質であるようす。性質の基本となるもの。  似たり寄ったり=「にたりよったり」と読み、似ていて違いのないこと。  孟子=「もうし」と読み、中国、戦国時代の魯の思想家。孔子の教えを受け継いだ人。[BC372-BC289]。  古典=「こてん」と読み、古い時代に偉人が書き残したもの。  梁=「りょう」と読み、戦国時代の魏(ぎ)が、BC362年に大梁に遷都した後の国号。  政治=「せいじ」と読み、国家の王などが、その権力に基づいて領土人民を治める活動。  人民=「じんみん」と読み、社会を構成する人々。  何故=「なぜ」と読み、どのような理由で。  戦場=「せんじょう」と読み、戦いをする場所。  兵士=「へいし」と読み、仕官の命令に従って戦いをする者。  武器=「ぶき」と読み、戦いに使う道具。  逃げる=「にげる」と読み、めんどうなことから遠ざかる。やりたくないことから離れる。  臆病=「おくびょう」と読み、恐れを感じて適切な行動ができないこと。  故事=「こじ」と読み、昔にあった出来事が伝わって残ったもの。  凶作=「きょうさく」と読み、作物のみのりが例年より良くないこと。  自覚=「じかく」と読み、自分の置かれている立場などを自ら認めること。  助言=「じょげん」と読み、困っていることを助けるために言葉を示すこと。 

いわれ(歴史)と重要度

孟子(もうし)・梁恵王(りょうけいおう)の上。   重要度=☆☆☆       難易度=ふつう

スポンサードリンク


[01]


ワクチンの真実