●秋茄子嫁に食わすな

読み(ひらがな)

あきなすび よめに くわすな。

意味

秋のなすは、特に味がいいので、そんなに、おいしいものを、嫁に食べさせては、 もったいないという、姑(しゅうとめ)が嫁をいじめる言葉。

解説

また、上の意味とは全く反対に、嫁のことを思いやる気持ちで、言っている 言葉とする説があるようです。秋のなすは、おいしいけれど、体を冷やす為、 大切な嫁に食べさせないという意味と、なすには、種が少ないから、 子供ができないと困るので、縁起を気にかけ、 食べさせないという説もあるようです。

重要語の意味

茄子=「なすび」と読み、「なす」のこと。夏やさいの一つ。秋に取れるものは、 特においしい。  嫁=「よめ」と読み、女性は結婚すると夫の家に入ることになり、 この場合、夫の母をしゅうとめ(姑)といい、しゅうとめから見た場合には、嫁は、むすこの妻になる。  食わすな=くわせるな。たべさせるな。  姑=「しゅうとめ」と読み、結婚した場合(その家に一緒に住む) 相手の母。 

いわれ(歴史)と重要度

秋なすを、ねずみに食べさせないように、と歌った和歌。   重要度=☆☆☆   

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鼠の忌詞

「秋茄子嫁に食わすな」は、本来は次のような長い和歌であったようです。 「秋なすび早酒(わささ)の粕(かす)につきまぜて棚におくとも嫁に食わすな」。 この場合の、「嫁」というのは、「嫁が君」を略したもので、「ねずみ」のことを 言った言葉のようです。「ねずみ」という言葉は、忌詞(いみことば)だったようで、 正月三が日は、「ねずみ」という言葉を使わず、「嫁が君」と言っていたようです。 この歌の意味は、おいしい秋なすは、酒のかすに包んで、棚の上におき、ねずみに 食べさせないようにする。という意味があるようです。

忌詞(いみことば)=悪いことを含むことばとして、きらわれたため、 できるだけ、使わないようにし、代わりのことばを用いた。

茄子
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