●世間は張り物

読み(ひらがな)

せけんは はりもの。

意味

世間は、一般的に外見を良く見せようとする傾向が強い、ということ。また、 物事の外見の美しさだけに、とらわれて騙されるな、といういましめ。

解説

普通、世の中には、外から見たようすを良く見せようとするものや、体裁を良くしようとする人たちが多い、ということのようです。また、 物事の見た目の美しさだけに気持ちが、しばられてしまうと、そのものの本当のすがたが見えなくなってしまうから、 注意しなさい、という教えのようです。また、 世の中を上手に渡っていくには、外見を良く見せたほうが、よい、という意味もあるようです。 しかし、外見を取り繕うと、そこには、うそが含まれてきます。このうそは、やがて、その人の心を混乱させてしまうので、 「分相応に風が吹く」という生き方のほうがいいと思います。最近、いくつかの自動車メーカーで発覚した 燃費・排ガス、データ改ざんは、このことわざを示した具体的な例であると思います。

重要語の意味

世間=「せけん」と読み、人が集まって生活する世界。社会。世の中の人たち。  張り物=「はりもの」と読み、芝居の道具。木で枠を作り紙や布を張りつけて背景や岩や木などに見せかけたもの。  一般的=「いっぱんてき」と読み、ある同じようなことが全体にわたっていること。  外見=「がいけん」と読み、外から見たようす。  傾向=「けいこう」と読み、物事の状態がある方向にかたむいていること。  強い=「つよい」と読み、他のことをおしのけて、いきおいがはげしい。  物事=「ものごと」と読み、ものやこと。  美しい=「うつくしい」と読み、ものの形や色が心ひかれる。音色が心ひかれる。  とらわれる=ある考えなどにしばられる。ある気持ちにこだわる。  騙す=「だます」と読み、本当でないことを本当のように思わせる。  いましめ=注意してまちがえないようにするおしえ。  体裁=「ていさい」と読み、他人から見られた時の自分のありさま。外から見たようす。  本当=「ほんとう」と読み、うそではないこと。真実であること。  注意=「ちゅうい」と読み、あることに心を向ける。  渡る=「わたる」と読み、生きてゆく。人々の中でくらしていく。  取り繕う=「とりつくろう」と読み、外見をよく見せて体裁をよくする。  混乱=「こんらん」と読み、いろいろなことが重なって、よくわからなくなること。  発覚=「はっかく」と読み、隠していた、たくらみが人に知られる。  燃費=「ねんぴ」と読み、自動車が1リットルの燃料によって走ることのできる距離。  排ガス=「はいがす」と読み、車からでる排気ガス。  データ改ざん=「でーたかいざん」と読み、新車の燃費や排気ガスのデータを抜き取り検査する時、検査データの 値がよくなるように検査方法を変えたり数値を書き換えたりすること。 

いわれ(歴史)と重要度

毛吹草。   吾吟我集。    重要度=☆☆☆    難易度=ふつう

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世間
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