●牝鶏晨す

読み(ひらがな)

ひんけい あしたす。

意味

女性が勢力をふるうことのたとえ。また、女性が勢力をふるうことは、家や国を滅ぼす原因となることのたとえ。

解説

昔は、目ざまし時計がありませんから、朝の時を知るために、鶏を飼っていたようです。 普通、朝になると、おんどりが鳴いて時を告げるのですが、このことわざでは、めんどりが 鳴いて時を告げることを示しているようです。 古い中国の考え方では、めんどりが、おんどりをさしおいて朝に鳴くのは、よくないことの前兆で、 家や国が滅びるという言い伝えがあったようで、書経には次のように書かれています。 「牝鶏の晨すること無し、もし牝鶏、晨すれば、これ家は索きん。= めんどりが朝に鳴くことはない、もしめんどりが朝、鳴くようなことがあれば、それは女性が 男性を無視して、でしゃばることであり、その家は、やがて滅びるであろう」。

重要語の意味

牝鶏=「ひんけい」と読み、めんどり。めすのにわとり。  晨す=「あしたす」と読み、朝の時を告げる。朝に鶏が「コケコッコウ」と鳴く。  女性=「じょせい」と読み、子を産む体を持っている人。男性でない人。おんな。  勢力=「せいりょく」と読み、他をおさえ自由に行動できるちから。  ふるう=ちからを外に出して働きかける。  滅ぶ=「ほろぶ」と読み、絶えてなくなる。たえる。  原因=「げんいん」と読み、あることが起こるもとのこと。  鶏=「にわとり」と読み、キジ科のとり。古くから人に飼育され朝の時を知るためや肉や卵を得るために用いられた。  飼う=「かう」と読み、動物にえさを与えて育てる。  おんどり=にわとりのおす。  鳴く=「なく」と読み、とりが声を出す。  めんどり=にわとりのめす。  時を告げる=「ときをつげる」と読み、時を知らせる。  示す=「しめす」と読み、あらわす。  考え方=「かんがえかた」と読み、こうであろうと考えること。  さしおく=無視する。  前兆=「ぜんちょう」と読み、まえぶれ。きざし。  書経=「しょきょう」と読み、儒教の基本となる本のひとつ。紀元前600年頃のもの。 王やその家臣が残した記録で政治の理想を述べたもの。  索く=「つく」と読み、つきる。ほろびる。ばらばらに分解する。  でしゃばる=他人をおしのけて自分が先に出る。 

いわれ(歴史)と重要度

書経・牧誓。   重要度=☆☆☆      難易度=少しむずかしい

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牝鶏
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