●解説 ヨーガ・スートラ   

読みと(出版社)

かいせつ よーがすーとら。     (平河出版社)。

紹介と感想など

この本は、1989年に印刷されていますので、その頃に買ったと思います。 佐保田氏が、インドの原本を現代語に訳して注釈をつけたものです。 ヨーガの歴史は、非常に古いようで、釈尊が生きていた頃からあったようです。 このヨーガスートラは、仏教の影響を受けていると思います。 禅那章の2の15「一切皆苦」と、2の16「ヨーガ行者が除去すべきものといえば、それは未来の苦である」 とあり、これらは仏教の真理四諦の第一苦諦と第三滅諦と考えることができます。 また、ヨーガの八部門は、仏教の八正道に近いものであり、特に制感、凝念、静慮、三昧は 重要な部分であると思います。凝念は誰でもできますが、静慮の境地に入るのは、とても難しく、 さらに三昧に入るのは、ほとんど不可能でしょう。 この本によると、ヨーガの修行が進むと超自然的な心霊能力があらわれるようですが、 これらの超能力のすばらしさに、まどわされると、三昧が挫折してしまうので、これを戒めています。 自在力章3の37には、「綜制の諸結果は三昧にとっての障害である。雑念にとっては霊能であるが」また、 「綜制が成功した結果として生じた諸能力は、三昧境にあるものにとっては災難であるが、 雑念の心境にあるものにとっては、すばらしい霊能なのである」とあります。 ヨーガスートラの最終目的は、「解脱」であり、仏教で説かれている「法雲三昧」という境地を あげています。これも仏教の影響によるものだと思います。   [総ページ数=281]

その他で印象に残った言葉

@三昧章(40)    純粋観照者(41)    誤謬(ごびゆう)(44)    心の働きを止滅(40)    A禅那章(82)    B自在力章(119)    凝念とは、心を特定の場所に縛りつけることである(119)    静慮とは、凝念にひきつづいて、、、(120)    三昧とは、その同じ静慮が、、、(122)    三昧(122)    主客未分(122)    以上の三つの行法は、、、総称して綜制とよばれる(123)    綜制(そうせい)(123)    三の五〇・至上離欲(152)    独存位章(158)    法雲三昧の境地が現れる(178)    シッディ(276)   

著者の紹介

佐保田 鶴治(さほだ つるじ)。
明治32年、福井県に生まれる。   
大正11年、京都帝国大学文学部哲学科卒業
昭和48年、 日本ヨーガ・アシラム開設


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