●隗より始めよ
読み(ひらがな)かいより はじめよ。 |
意味@遠大な事業も、まず手近なところから着手せよ、ということ。A事を起こそうと思うなら、 まず言い出した者が実行すべきである、ということ。 |
解説@大きな社会的な仕事を始めようと思ったら、まず自分のすぐ近くにある簡単なことから始めなさい、ということと、 A何かを始めようと思うなら、まず、それを口に出した者が、実際に始めるべきである、ということのようです。 このことわざには、次のような故事があります。 「中国の戦国時代に、燕という国の昭王が、自分の国が戦いに負けてばかりで、 国の中が荒れはてていた時、国を建て直そうと人材を求めていました。 昭王は、まず郭隗という賢者に相談し、どのようにしたらよいのかを尋ねました。 すると、郭隗は、いろいろな話をした後、本当に人材が欲しいなら、まず能力の少ない私、 郭隗から始めるようにして下さいと言ったので、昭王は郭隗を国へ招き、彼を師事しました。 すると、他の国から、たくさんの賢者が集まり、燕という国が栄えました。」というお話です。 昭王が、まず自分にできることから始めた結果、そのうわさが世間に広まり、郭隗より優秀な 賢者が集まって、国が栄えることになったのではないかと思います。 |
重要語の意味隗=「かい」と読み、中国、戦国時代の知識人の名前。郭隗。 始める=「はじめる」と読み、新たにものごとを起こす。 遠大=「えんだい」と読み、計画している仕組みが大きくて先のことまで考えているようす。 事業=「じぎょう」と読み、社会的な仕事。 手近=「てぢか」と読み、すぐ近くにあること。すぐに実行できること。 着手=「ちゃくしゅ」と読み、ある仕事に手をつけること。仕事などを始めること。 事=「こと」と読み、ふるまい。行事。 起こす=「おこす」と読み、物事を始める。 実行=「じっこう」と読み、実際に行うこと。 簡単=「かんたん」と読み、やさしいようす。 戦国時代=「せんごくじだい」と読み、中国の紀元前403年から221年頃までの戦乱の多い諸国分裂期。 燕=「えん」と読み、戦国時代に分裂していた国のひとつ。 昭王=「しょうおう」と読み、燕が敗戦によって乱れていた時、国王に即位した人。 人材=「じんざい」と読み、能力があって役に立つ人。 郭隗=「かくかい」と読み、戦国時代の政治家。このことわざの起源となった重要な人。 賢者=「けんじゃ」と読み、儒教や道教などに通じ知識が深い人。 尋ねる=「たずねる」と読み、分からないことを人に聞く。 師事=「しじ」と読み、ある人を先生として尊敬し、その教えを受けること。 優秀=「ゆうしゅう」と読み、他の人よりもまさっていること。 |
いわれ(歴史)と重要度戦国策・燕上。 重要度=☆☆☆ 難易度=むずかしい |
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