●法句経講義

読みと(出版社)

ほっくきょう こうぎ。     (講談社)。

紹介と感想など

この本は、仏教のお経についての本です。お経と言っても非常に多くのものがありますが、 特に、このお経・法句経は、初期仏教の様子を知る上で、とても重要となるものだと思います。 お釈迦さんが何を悟り、そして、多くの人に何を説いたのか、その内容が、短い詩の形で分かりやすく納められています。 日本では、長い仏教の歴史があるにもかかわらず、小乗仏教として、あまり重要視されていなかったお経ですから、 一般の人には殆ど知られていなかったようです。そのように埋もれていたお経を、ラジオ放送が始まって、10年目 くらいの時、昭和9年の3月に、ラジオを通して講義が行われたようです。そのラジオ放送の内容をもとに修正を加えた ものが、この本です。この当時は、まだ、ラジオを聞く人も少なかっただろうと思いますが、大きな反響を呼んだそうです。 この本の構成は、法句経の中から、15の句を選び出し、友松圓諦さんが、ラジオを通して、1日1句を講義した記録となっています。 講義の雰囲気までも伝わってきますから、友松さんが、伝えようとした精神が直接、心に響いてきます。 仏教は古い教えですが、初めて知った考え方や、初めて目にする言葉もあり、とても新鮮な本でした。 また、最後に載せてある奈良康明氏の「現代に甦る仏教」も印象深い内容でした。 皮肉にも(仏教が他人を攻撃してはいけないとすることに反して)、この頃の日本は、国内外で、争いが多発し、やがて大きな戦争、 第二次世界大戦の中に巻き込まれようとしていた時だと思います。   [総ページ数=413]

印象に残った言葉

平和条約。    スリランカ。    怨親不二。    反省。    慈念。    浜松。    有ること難し。    穀潰し。    知的整頓。    持ちつ持たれつ。    乞食(こつじき)。    自己。    三毒。    物心不二。    自他一如。    比丘。    みな乞食。    執著。    昨日の思想。    根本は心。    三宝。    三帰依。    信。    普請(ふしん)。    四苦八苦。    四諦。    煩悶(はんもん)。    中道。    八つの道。   

著者の紹介

友松圓諦(ともまつ えんたい)。
1895年名古屋に生まれる。 宗教家。仏教学者。宗教大学、慶応大学卒業。 初代の日本仏教会事務総長。1973年示寂。


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