●明鏡止水

読み(ひらがな)

めいきょう しすい

意味

雑念が全く浮かんでこない、澄み切った心をたとえた言葉。

解説

心の中に、さまざまな思いが、ひとつとして現われないので、心の中に曇りがなく澄み切って静かなようすをたとえた言葉のようです。 流れのある水は、水面が乱れ鏡にはなりませんが、流れのない、止まっている水の表面は、 鏡のようにまわりの様子をはっきりと映し出します。それと同じように、心の中に雑念という流れが なければ、自分以外の外の対象をありのままに、はっきりと心の中に映し出すことができるので、 このようにたとえたのだと思います。雑念があると、経験によって形成された思考パターンが外界の対象を 正しく見ることを妨げ、結果として行為である三業に悪い影響を与えるのではないかと思います。

重要語の意味

明鏡=「めいきょう」と読み、汚れのないかがみ。すみきったかがみ。  止水=「しすい」と読み、流れていない、止まっているみず。  明=はっきりしている。清らかである。  鏡=かがみ。手本。かんがみる。  止=とまる。じっとして動かない。  水=みず。液体。液状に動くもの。  雑念=「ざつねん」と読み、心の中に浮かんでくるさまざまな思い。  念=「ねん」と読み、途切れることなくさまざまに変化し殆ど意識されることなく活動し続けている心の動き。  全く=「まったく」と読み、すこしも。ひとつも。ぜんぜん。  浮かぶ=「うかぶ」と読み、思いやイメージなどがあらわれる。  澄む=「すむ」と読み、@曇りがなくはっきりする。A雑念がなく落ち着いている。  心=「こころ」と読み、人間の行為としての三業を起こすとき、認識、感覚と思考が関連しながら動いているところ。  曇り=「くもり」と読み、はっきりしないようす。  かがみ=光を反射して光っているもの。まわりのものをありのままにはっきりと映し出すもの。  対象=「たいしょう」と読み、人間の意識、感覚、行為などが向うもの。客観。  映す=「うつす」と読み、ものの形や色などを他のものの表面にあらわす。  経験=「けいけん」と読み、五感によってさまざまなことをやってみること、またやって得た知識。  形成=「けいせい」と読み、かたちづくること。  思考=「しこう」と読み、思ったり考えたりすること。心の働きの中で認識、感覚、意志とは別なもの。  パターン=傾向。方向。くせ。pattern.  外界=「がいかい」と読み、外の世界。  妨げる=「さまたげる」と読み、じゃまをする。だめにする。  行為=「こうい」と読み、心の中で導き出された目的や意志が起こすおこない。  三業=「さんごう」と読み、身、口、意。@体の動き。A言葉を発すること。B精神の動き。 

いわれ(歴史)と重要度

荘子(そうじ)内扁・徳充符(とくじゅうふ)。   重要度=☆☆☆   難易度=むずかしい

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明鏡止水