●天高く馬肥ゆ

読み(ひらがな)

てんたかく うまこゆ。

意味

空が澄みわたり、すがすがしい季節となる秋をあらわした言葉。

解説

昔、中国では、秋になると北の方からやってくる匈奴(きょうど)という騎馬民族に、収穫した食べ物を奪われ、 たいへん恐ろしい思いをした時期があったようです。騎馬民族は、馬に乗りますから、馬が夏によく育った牧草の草を食べ、 秋になって肥えて元気になるので、その馬を使って、中国の人たちを襲ったのだと思います。その時に作られた詩の一部が、 伝わってきましたが、今では、騎馬民族もいませんから、よい意味で秋のさわやかさをあらわす言葉に変わったようです。 また、万里の長城は、北の方からやってくる匈奴の侵入を防ぐために作られたようです。

重要語の意味

天高く=「てんたかく」と読み、空が澄んで高く感じられるようすを言ったことば。  馬=「うま」と読み、人がのったり荷物を運ぶ時などに使う動物。比較的大きな動物。  肥ゆ=「こゆ」と読み、肥える。肉がついて太くなる。  澄む=「すむ」と読み、にごりがなくすきとおる。  すがすがしい=さわやかで気持ちがよい。  匈奴=「きょうど」と読み、中国の北の草原地帯を家畜をつれて移動し、時には南にいる農耕社会の食べ物などを奪った遊牧民族。  騎馬民族=「きばみんぞく」と読み、戦いなどを目的に馬に乗っている民族。  収穫=「しゅうかく」と読み、植物などの農作物をとること。  奪う=「うばう」と読み、他人のものを無理やり自分のものにする。  恐ろしい=「おそろしい」と読み、こわい。  牧草=「ぼくそう」と読み、家畜のえさとして育った草。  襲う=「おそう」と読み、とつぜんこうげきする。  万里の長城=「ばんりのちょうじょう」と読み、紀元前300から200年ごろに、中国が北方の 匈奴という遊牧民族の侵入を防ぐためにつくった高い土の壁。秦の始皇帝のときに増改築された。  侵入=「しんにゅう」と読み、他の土地に無理やりに入っていくこと。 

いわれ(歴史)と重要度

杜審言(としんげん)の詩。   重要度=☆☆☆   難易度=ふつう

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