●玉琢かざれば器を成さず

読み(ひらがな)

たま みがかざれば きをなさず。

意味

才能と素質に恵まれていても、自分を練磨しなければ、立派な人物にはなれない、というたとえ。

解説

生まれつき性格がよく、何でもよくこなしてしまう人であっても、自分を繰り返し磨かなければ、 人格と能力のすぐれた人には、なれない、ということのようです。 才能や素質があっても、それを磨かなければ、実際に生かすことはできない、ということと思います。 このことわざにある「器」には、宝石としての道具という意味があり、美しく光り輝く宝石の原石であっても、 ただ形を整えただけでは美しさは出ないが、何度も磨いて、つやを出して初めて、本物の宝石としての価値が 出るということだと思います。 この後に、「人学ばざれば道を知らず」=人は学ばなければ道を知ることはない。と続きます。 また、このことわざは、「玉磨かざれば光りなし。」とも言います。

重要語の意味

玉=「たま」と読み、美しい宝石や真珠。原石を丸い形にしたものを磨いてつやを出したもの。  琢く=「みがく」と読み、@表面をこすってつやを出す。A学問などを学び立派なものにする。  ざれば=しなければ。  器=「き」と読み、うつわ。道具。才能。  成す=「なす」と読み、つくりあげる。ある状態にする。  才能=「さいのう」と読み、あることをたくみにやってしまうちから。  素質=「そしつ」と読み、生まれつき持っている性質。  恵まれる=「めぐまれる」と読み、よいものを受ける。  練磨=「れんま」と読み、心と体をくりかえしみがくこと。  立派=「りっぱ」と読み、能力などがすぐれているようす。  人物=「じんぶつ」と読み、すぐれた人格や能力を持っている人。  こなす=難しいようなことを上手に処理する。  繰り返し=「くりかえし」と読み、なんどもすること。  磨く=「みがく」と読み、琢くと同じ。  人格=「じんかく」と読み、ひとがら。  能力=「のうりょく」と読み、物事を成しとげるちから。  実際に生かす=「じっさいにいかす」と読み、現実生活で活用する。  宝石=「ほうせき」と読み、美しくかたい原石の形を整え磨いて加工したもの。装飾品として用いる。ダイヤモンド、ルビー、サファイヤなど。  輝く=「かがやく」と読み、表面に光が当たって反射する。  原石=「げんせき」と読み、大地から取り出され加工されていない宝石。  道=「みち」と読み、道徳。宗教上の教え。儒教の教義。 

いわれ(歴史)と重要度

礼記・学記。   実語教。   重要度=☆☆☆   難易度=少しむずかしい

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