●上善は水の如し

読み(ひらがな)

じょうぜんは みずのごとし。

意味

最も優れた善は、水のようなものである。

解説

老子という本によると、「水は、すべての生物に恵みを与えて 争うことがなく、人々の嫌う低い所に止まろうとするので、道に幾い」 ということです。それ故に、人も水のように争うことなく、低い所にいて、 心は静かで深く、慈しみを持ち、うそを言わず、正しく治まり、 よく物事をやりとげ、時に応じて動くのが善いと示しています。また、 水は、地球が生まれた45億年くらい前からあって、生命の起源と 深く関わり、私たち生き物に不可欠なものです。

重要語の意味

上善=「じょうぜん」と読み、最高の善。もっとも優れた善。  水=「みず」と読み、水素原子2つと酸素原子1つから成る物質。地表に多く存在し生命に不可欠なもの。  如し=「ごとし」と読み、にている。同じようである。  最も=「もっとも」と読み、他のものと比べて一番である。  優れる=「すぐれる」と読み、他のものよりまさっている。  善=「ぜん」と読み、よいこと。道理にかなっていること。  老子=「ろうし」と読み、紀元前300年頃、中国で成立したであろう思想体系。当時の 道家の人たちの考え方を集めた書物。  恵み=「めぐみ」と読み、ありがたいもの。  争う=「あらそう」と読み、たたかう。何かを得ようとしてきそう。けんかをする。戦争する。  嫌う=「きらう」と読み、いやだと思って近づかない。好きでない。  止まる=「とどまる」と読み、その場所にいる。  道=「どう」と読み、老荘思想が説く自然界を成り立たせている不思議な力のようなもの。タウ。玄。  幾い=「ちかい」と読み、ほとんどそうである。  故に=「ゆえに」と読み、だから、したがって。  慈しみ=「いつくしみ」と読み、相手を思いやる心。  地球=「ちきゅう」と読み、太陽系にある第三番目の軌道を回る惑星。私たちの住んでいる星。  億年=「おくねん」と読み、1万年が10000回めぐるほどの長さ。  生命の起源=「せいめいのきげん」と読み、最初の生命が地球上に生まれたこと。今から40億年程前の出来事。  深く関わる=「ふかくかかわる」と読み、表面には現れないが強く関係している。  不可欠=「ふかけつ」と読み、なくてはならないこと。 

いわれ(歴史)と重要度

老子・第八章。   重要度=☆     難易度=ふつう

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上善
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