●則天去私

読み(ひらがな)

そくてん きょし

意味

天地自然の法則に従って、私情を捨て去って生きること。

解説

自然の法則を理解した上で、自分自身も、その自然の一部である という認識から、その法則に従って、私という自我を捨てることは、 当然のことである、という意味ではないかと思います。 この四字熟語は、夏目漱石が晩年に感じていた人生観とも文学観とも 考えられているようです。漱石は、27才の時、鎌倉の円覚寺で 釈宗演という僧の下で参禅を体験しているので、この言葉には 禅の思想が含まれているように感じます。

重要語の意味

則天=「そくてん」と読み、天にのっとる。天に従う。  去私=「きょし」と読み、私を去る。私がなくなる。自我を捨てる。  則=きまり。のっとる。手本とする。  天=大自然の道理。  去=はなれる。すてる。  私=わたくし。  天地自然=「てんちしぜん」と読み、宇宙と地球を成り立たせている大きな自然。  法則=「ほうそく」と読み、自然界などに存在しているきまり。  従う=「したがう」と読み、自然の力などをたよりにする。  私情=「しじょう」と読み、自分から生まれてくる感情や思い。利己心。  捨て去る=「すてさる」と読み、ある状態からはなれる。  認識=「にんしき」と読み、事実と認めておぼえておくこと。  自我=「じが」と読み、自分自身の欲から生まれる感情、認識、意志などの心。  夏目漱石=「なつめそうせき」と読み、明治、大正時代を代表する小説家。「吾輩は猫である」など。[1867-1916]。  円覚寺=「えんがくじ」と読み、鎌倉市にある臨済宗の禅寺。1282年に北条時宗が創建した寺。  釈宗演=「しゃくそうえん」と読み、1860年福井県生まれ。初めて海外へ「ZEN」の思想を伝えた僧。[1860-1919]。  参禅=「さんぜん」と読み、お寺に入って師に従い坐禅をすること。  禅=「ぜん」と読み、坐禅を主とする宗派によって確立された境地。禅那。原始仏教当時から伝わる概念。  思想=「しそう」と読み、考え方。社会的見解。 

いわれ(歴史)と重要度

夏目漱石・晩年の境地。   重要度=☆☆☆       難易度=ふつう。   熟語分類=標準。

則天去私


ワクチンの真実