●空海「性霊集」に学ぶ
読みと(出版社)くうかい しょうりょうしゅうに まなぶ。 (大法輪閣)。 |
紹介と感想など何の因縁かは知りませんが、ことわざを調べていて空海の書物をいくつか知ることになりました。 性霊集は、空海自身が書き残した漢文の文章を弟子の真済(しんぜい)が集めてまとめた書物のようです。 空海は、9世紀の平安時代初期の僧侶で、弘法大師ともいいます。そして、2015年は、空海が高野山に 修禅のための道場を開創してから1200年になるようです。音吉も、その恩恵をたまわり、2015年に 空海展を見に行きました。本などでは知ることのできないことも、いくつか知ることができて、とてもいい機会をいただき 感謝しています。この本は、著者が、性霊集の中から短い文章を16項目ほど選び出し詳しく解説していますので、 分かりやすいものになっています。特に感銘を受けた言葉は、「仏法遙かにあらず心中にして即ち近し。」です。 この言葉は、空海が、般若心経についての注釈書の冒頭で述べているもので、かなり有名な言葉のようですが、音吉は、 この本で初めて知りました。そして、もうひとつ、誰でもが学ぶことのできる学校、「綜芸種智院」の詳しいことも、 この本で知りました。空海は、当時の僧侶と官僚の学問の偏りを憂慮して、身分が低く貧しくても、向学心のある者であるなら、 誰でもが正しく学んで、迷える人々の指針となる人材を育成したいと願っていたようです。音吉は、真言宗の加持祈祷によって 物事をいい方向へ変えようとするやり方は、お釈迦さんが説いた方法とは、少し違うもののように思います。しかし、空海は、 晩年、般若心経秘鍵のなかで、仏法と真如についての確信とも思える言葉を述べています。つまり、空海は、真の意味で悟りを得て、 本当の菩薩になったのだと思います。空海の入滅後、空海は、921年に朝廷から弘法大師という名前をいただいています。そして、 その後、空海入定信仰から大師信仰が生まれます。大師信仰は、日本の仏教にとても大きな影響を与え、その後の民衆の間に広まる仏教の礎となったのではないかと思います。 [総ページ数=286] |
印象に残った言葉怨親。 日光山。 即身成仏。 葬式。 仏法。 心中。 淳祐。 菅原道真。 綜芸種智院。 即物的妄想。 自利利他。 修信。 精神即肉体。 肉体即精神。 四恩。 法界。 境。 心。 法音。 ゴミ。 興廃。 昇沈。 道。 授業料。 |
著者の紹介
平井 宥慶(ひらい ゆうけい)。 性霊集の著者: 空海[774-835]。 真言密教の開祖。 弘法大師。 高野山に金剛峯寺を開く。 国から東寺を与えられる。 大僧都。 他の著書には、「三教指帰」、「十住心論」、「般若心経秘鍵」などがある。 |
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