●命は食にあり
読み(ひらがな)いのちは しょくに あり。 |
意味人の命は、食べたり飲んだりすることによって保たれる、ということ。 |
解説私たちが、生命を保ち、元気でいるためには、食べ物を食べなければならない、ということです。 食べ物を食べると、それは体の中に取りこまれ、栄養素となり、体が代謝を起こし命を保つ、ということです。 このことわざに関連した言葉は、養生訓と仏教のお経などにもみられます。養生訓には、「飲食のやしないがなければ、 元気がなくなり命を保つことがむずかしくなる。」とあり、また、雑阿含というお経には、「食べ物を取ることは、 人々にめぐみを与え長く養うことを可能にする。」とあり、また、性霊集には、「人は食によって命をつなぐ。」とあり、 また、五観の偈には、「食べ物は良い薬だと思って飢えとかわきを癒(いや)すためにいただくこと。」とあります。 あたりまえのことですが、飲食は、命にとってもっとも大切なものですから、腹八分と栄養素のバランスを考えながら、 よい食事を心がけたいと思います。 |
重要語の意味命=「いのち」と読み、生き物が生活するために必要となるちから。生命(せいめい)。 食=「しょく」と読み、たべること。食べたり飲んだりすること。 栄養素=「えいようそ」と読み、生き物の代謝に必要となるもの。炭水化物、脂肪、タンパク質、 ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルなど。 代謝=「たいしゃ」と読み、体内に吸収された栄養素をもとに分解と合成をおこない、エネルギーを得たり 体の細胞の再生をすること。物質交代。 養生訓=「ようじょうくん」と読み、江戸時代に貝原益軒が書いた本で健康に過ごすための方法が書かれている。 雑阿含経=「ぞうあごんきょう」と読み、原始仏教(釈迦在世中の最も古い仏教)を比較的忠実に伝える書物。 性霊集=「せいれいしゅう」と読み、弘法大師空海が書き残したものを弟子が集めてまとめた本。十巻よりなる。 五観の偈=「ごかんのげ」と読み、禅の僧侶が食をいただく前に唱える5つのことば。 腹八分=「はらはちぶ」と読み、おなかいっぱいでなく少なめに食べること。 |
いわれ(歴史)と重要度養生訓・巻三の飲食上。 雑阿含・食経。 性霊集・巻六。 五観の偈。 成唯識論。 重要度=☆ 難易度=ふつう |
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