●命長ければ恥多し

読み(ひらがな)

いのちながければ はじおおし。

意味

長生きをすれば、それだけ恥をかくことが多くなる、ということ。

解説

このことわざは、荘子と徒然草の中にある言葉です。 徒然草の中で兼好は、「ひたすら世をむさぼる心のみ深く、 もののあはれも知らず、なりゆくなむ」とあり、自分の欲におぼれてしまい 恥じる心を失ってしまうことへの嘆きをつづっているようです。また、荘子では、 本当に徳のある人であれば、長生きをしても恥をかくことはないとも言っています。 余談になりますが、長生きとは何才くらいを言うのでしょうか。例えば、初老とは50才 くらいのことで、初老期うつ病という言葉もあり、また、還暦には隠退という意味も あるようです。いずれにしても、長生きをするということは、「老い」という事実を 実感することになりますから、老いに合わせた生活スタイルを選んでいく必要があると思います。

重要語の意味

命=「いのち」と読み、人間が生きていくために必要となるもの。  長い=「ながい」と読み、時のへだたりが大きい。  恥=「はじ」と読み、はじること。面目を失うこと。はずかしいこと。  多し=「おおし」と読み、おおい。たくさんある。  長生き=「ながいき」と読み、長く生きること。長命。長寿。  荘子=「そうじ」と読み、中国戦国時代の道家の思想書。中国の禅に大きな影響を与えた書。南華真経。  徒然草=「つれづれぐさ」と読み、鎌倉時代末に書かれた随筆。  兼好=「けんこう」と読み、徒然草を書いた人。吉田兼好。兼好法師。  欲=「よく」と読み、ひどく求めること。  嘆き=「なげき」と読み、深く悲しむこと。  徳=「とく」と読み、道徳的にすぐれた性格。修養によって育まれるもの。  余談=「よだん」と読み、本筋から少し外れた話。  初老=「しょろう」と読み、昔は四十才を言ったが現在では50才ごろ。  初老期うつ病=「しょろうきうつびょう」と読み、50才ごろにうつ病のような症状を起こすこと。  還暦=「かんれき」と読み、干支(えと)が60年でひと回りするので、60才になった時のことを言う。  隠退=「いんたい」と読み、社会的な活動や仕事などを離れて静かに暮らすこと。隠居。  老い=「おい」と読み、年をとって心身がおとろえること。  実感=「じっかん」と読み、実際に感じること。  生活スタイル=生活様式。食事や運動などを老いに合わせる。 

いわれ(歴史)と重要度

荘子・外編、天地。    徒然草・第七段。    重要度=☆☆☆   難易度=むずかしい

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