●三人寄れば文殊の知恵

読み(ひらがな)

さんにんよれば もんじゅのちえ。

意味

普通の凡人でも、三人集まって、相談すれば、知恵が一番すぐれているといわれる、 ほとけ様の考えと同じような、ものすごい知恵が出てくるというたとえ。

解説

一人で一生懸命に考えてみても、なかなかいい知恵は浮かばないけれど、 三人ぐらいの人が集まって、いろいろと話をしながら、考えを出していけば、 一人では思いつかないような、素晴らしい知恵が出てくるという教えのようです。 確かに、そういうことは、いえると思います。会議をするのも、そのためでしょうか。

重要語の意味

寄れば=ある一つのところへ集まれば。  文殊=「もんじゅ」と読み、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)のこと。 仏教の考え方をよく理解して、知恵にすぐれた者。  知恵=@物事の道理をよく理解して、いろいろなことを正しく処理する力。 A仏教用語として、世界の真理をよく理解して、悟りを開くこと。六波羅蜜の最終目的、智慧。  六波羅蜜=「ろくはらみつ」と読み、大乗仏教で、仏の修行をする為の 基本的な6つの内容。@布施(ふせ)。A持戒(じかい)。B忍辱(にんにく)。C精進(しょうじん)。 D禅定(ぜんじょう)。E智慧(ちえ)。 

いわれ(歴史)と重要度

聖徳太子絵伝記。 中国古典、韓非子。 論語・述而編21。   重要度=☆☆☆

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文殊菩薩

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)とは、仏として悟りを開く為に、 修行をしている者でも、一番、最高の者を言うようです (次の生で仏になる資格のある者・補処(ふしょ))。 又、文殊菩薩は、実在した人物とも、想像上の人物ともはっきりしませんが、 当時の、お釈迦様の教えをよく理解し、完全な智慧をそなえていた修行者として、 たくさんの大乗仏教のお経の中に、あらわれてくる菩薩です。このように、文殊菩薩は、 知恵が他の誰よりも、すぐれていた為、「文殊」といえば、知恵がすぐれた者という ことが、あたりまえになり、「文殊の知恵」という言葉も、生まれたようです。 また、文殊菩薩のことを、妙吉祥菩薩(みょうきちじょうぼさつ)とも呼ぶようです。

大乗仏教(だいじょうぶっきょう)=お釈迦様が亡くなった後に、 生まれた仏教で、出家者とは別の考え方を持った在家信者により、考え出された教え。  菩薩(ぼさつ)=悟りを開く以前の修行時代のお釈迦様のこと。 後に、大乗仏教で、悟りを開く為に修行をしている者の代名詞となった。 


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