●女は三界に家なし

読み(ひらがな)

おんなは さんがいに いえなし。

意味

女性には、この広い世界の中で、どこにも安住できる場所がない、ということ。

解説

女性は、どんな時でも、だれかに従わなければならない、という昔の古い考え方がもとで生まれた ことわざで、女性は、いつも満足して住むことのできるところがない、ということのようです。 仏教の「五障三従」という考え方の「三従」がもとになっているようです。三従とは、 女性が、従わなければならない次の3つの決まり事です。 @生まれてからは、その家の父に従い、A嫁に行ってからは、夫に従い、B年をとって老いたら、 子供に従わなければならい、の3つです。今の世の中では、考えられないような 偏った決まり事ですが、もとは、インドの「マヌ法典」から生まれた考え方のようです。 仏教では、女性出家者の戒律が、男性より厳しくなっていますので、このことからも考えてみますと、 女性は、男性と違う、女性だけが持っている特別な性質があるのではないかと思ってしまいます。

重要語の意味

女=「おんな」と読み、女性。男でない人。  三界=「さんがい」と読み、欲界、色界、無色界。この世の全ての世界。三千世界。  家=「いえ」と読み、人が住むためのもの。わがや。  五障三従=「ごしょうさんじゅう」と読み、女性が持っている5つのさわりと、3つの従うべきこと。五障は、法華経の提婆逹多品に説かれている。  従う=「したがう」と読み、相手の思うままに行動する。  偏る=「かたよる」と読み、基準からずれてある方向によっていること。平等性に欠けること。  マヌ法典=「まぬほうてん」と読み、紀元前2〜紀元後2世紀ごろのインドに成立した法律。 バラモンを頂点としたヒンドゥー社会の秩序を保つために定められた生活規範。  戒律=「かいりつ」と読み、僧の集まりの中の秩序を守るために定められた生活全般の行為に関する決まり事。 

いわれ(歴史)と重要度

マヌ法典。   儀礼(ぎらい)。   世説故事苑。   世話尽。    重要度=☆☆☆   超古風。

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