●濡れぬ先こそ露をも厭え
読み(ひらがな)ぬれぬさきこそ つゆをもいとえ。 |
意味一度、過ちを犯してしまうと、過ちを犯すことが平気になってしまうことのたとえ。 |
解説悪いことだと思って、そのことから離れていても、一度、過ちを犯してしまうと、 そのことが悪いことだと思わなくなってしまうことのたとえのようです。 特に、この場合の過ちの意味するところは、女犯のことで、過ちを犯す前に、 しっかりと自分の意志を固めなさい、という戒めのことだと思います。 元の意味は、まだ、服や体が濡れていない時なら、露に濡れることを嫌がって、 濡れないように注意するけれども、一度、濡れてしまうと、そのことが平気に なってしまうということです。つまり、「濡れていない時にこそ、たとえわずかな 露であっても、常に嫌うようにしなさい」という僧への戒めの言葉ではないかと思います。 |
重要語の意味濡れる=「ぬれる」と読み、@服や体などに水がかかって湿る。A男女が色情によって交わる。 先=「さき」と読み、時間的に先に向かうところ。後のこと。はし。 こそ=前の語を強める言葉。 露=「つゆ」と読み、小さな水のかたまり。 をも=たくさんあるうちの小さなものであっても。 厭う=「いとう」と読み、いやがる。きらう。 過ち=「あやまち」と読み、@まちがい。A罪。B男女間の悪い関係。 犯す=「おかす」と読み、規則や道徳をやぶる。 平気=「へいき」と読み、悪いことをしても何とも思わないこと。 女犯=「にょぼん」と読み、僧が不淫戒を破って女性と交わること。 意志=「いし」と読み、やろうとすること。 固める=「かためる」と読み、強くする。 戒め=「いましめ」と読み、過ちがないように注意すること。 嫌がる=「いやがる」と読み、いやだと思う。あることから離れようとする。 嫌う=「きらう」と読み、いやだとおもう。 僧=「そう」と読み、仏教を修めるため出家している者。 不淫戒=「ふいんかい」と読み、性的快楽から離れるため、僧が女性と交わらないように注意すること。 |
いわれ(歴史)と重要度不明。 重要度=☆☆☆ 難易度=むずかしい |
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