●漁夫の利

読み(ひらがな)

ぎょふ の り。

意味

当事者が、互いに争っている隙に、第3者が、簡単に利益を得てしまうことのたとえ。

解説

あることに直接関係している2人がいて、その2人が、けんかをしている間に、その2人とは 関係のない人が、よいことを得ることのようです。このことわざは、次のような故事がもとになっているようです。 「しぎという鳥が、カラス貝を食べようとしたら、カラス貝が鳥のくちばしをはさんで離しません。 鳥と貝は互いに負けてはならないと争っています。そこへ、漁師がやってきて、鳥と貝を両方つかまえてしまった。」 という話です。このことは、ある2つの国(趙と燕)が、互いに争いを続けたため、その国の人たちが、別の国に対して注意を怠っている間に、 関係のない国(秦)が、争いを続けている国(趙と燕)を攻(せ)め、利益を得るということを意味しているようです。

重要語の意味

漁夫=「ぎょふ」と読み、漁師。海や川の生き物をとって生活している人。「漁父(ぎょほ)」ともいう。  利=「り」と読み、利益。そのひとにとってためになること。よいことを得ること。  当事者=「とうじしゃ」と読み、そのことに直接関係している人。  争う=「あらそう」と読み、けんかをする。何かを得ようとしてたたかう。  第3者=「だいさんしゃ」と読み、関係のない人。  簡単=「かんたん」と読み、なんの苦労もないようす。やさしい。  隙=「すき」と読み。気のゆるみ。油断。  しぎ=口ばしと足の長いわたり鳥。水辺に住み貝や小魚を食べる。  カラス貝=「からすがい」と読み、淡水に住む2枚貝。黒っぽい色をした貝。  趙=「ちょう」と読み、中国の邯鄲(かんたん)に都を置いた国。戦国七雄のひとつ。  燕=「えん」と読み、中国の薊(けい)に都を置いた国。戦国七雄のひとつ。  怠る=「おこたる」と読み、しなければならいことをしない。おろそかにする。  秦=「しん」と読み、中国の咸陽(かんよう)に都を置いた国。戦国七雄のひとつ。 

いわれ(歴史)と重要度

戦国策(せんごくさく)・燕策(えんさく)。   重要度=☆☆☆   

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