●欣求浄土

読み(ひらがな)

ごんぐ じょうど

意味

極楽浄土へ往生することを、心から願い求めること。

解説

これは仏教語です。釈尊が亡くなった後、大乗仏教が盛んになりました。 そのような中で、釈尊に代わり誰もが救われる仏が求められ、誰でも 受け入れられる無量寿経が誕生しました。 浄土というのは、このお経に説かれている悩み苦しみのない清らかな世界であり、 阿弥陀仏の住む仏国土という意味があります。 日本では、平安時代に源信という僧侶が、「往生要集」という本を書き、 その後の浄土信仰の礎となりました。この「往生要集」では、「厭離穢土」 という言葉があり、この現実世界の汚れを厭い離れましょう、という意味があります。 この心と同時に、「欣求浄土」の心を起し、仏の世界に生まれることを願い求めましょう、と説いて 念仏を勧めています。 極楽浄土は、私たちが、仏の性質を持っているという考え方からすると、私たちの心の中にあるのかもしれません。 阿弥陀仏は、方便であり、仏教に関心を持たない人でも、仏の道へ導くための巧みな手段として 創作された仏さんだと思います。

重要語の意味

欣求=「ごんぐ」と読み、仏の悟りをよろこんで求めること。  浄土=「じょうど」と読み、@西にある極楽浄土。A清らかな仏国土。  欣=よろこぶ。たのしむ。  求=もとめる。たずねる。  浄=きよらか。けがれがない。  土=国土。土地。  極楽浄土=「ごくらくじょうど」と読み、西方の十万億土の彼方にある阿弥陀仏の住む世界。 苦しみのない清らかな世界。  往生=「おうじょう」と読み、この世を離れ別の世界へ生まれ変わること。  釈尊=「しゃくそん」と読み、おしゃかさん。ブッダ。仏。如来。  大乗仏教=「だいじょうぶっきょう」と読み、釈尊の滅後、在家信者が中心になって 万人成仏を目的に十方世界に仏を求め、この仏を拠り所とする教え。  無量寿経=「むりょうじゅきょう」と読み、法増菩薩が48の誓願を立て成仏し無量寿仏となったという経典。  阿弥陀仏=「あみだぶつ」と読み、全ての人々を救うという願いを立て成仏した仏の名前。無量寿仏。  仏国土=「ぶっこくど」と読み、仏の住む浄土。  源信=「げんしん」と読み、天台宗の僧侶。44才の時「往生要集」をあらわす。恵心僧都。[942-1017]。  往生要集=「おうじょうようしゅう」と読み、阿弥陀仏を信じ極楽浄土に往生することを勧める書物。985年完成。  浄土信仰=「じょうどしんこう」と読み、浄土三部経を拠り所とする宗派、浄土宗、浄土真宗、時宗など。  礎=「いしずえ」と読み、もとになるもの。  厭う=「いとう」と読み、嫌って避ける。  念仏=「ねんぶつ」と読み、阿弥陀仏の姿を観想すること、または、称名を唱えること。  仏=「ほとけ」と読み、阿弥陀如来、薬師如来、釈迦如来、毘盧遮那仏など。 

いわれ(歴史)と重要度

往生要集。   重要度=☆☆☆       難易度=むずかしい。   熟語分類=仏教

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欣求浄土


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