●即心是仏

読み(ひらがな)

そくしん ぜぶつ

意味

私たちの心が、そのまま仏である、ということ。

解説

この四字熟語は、簡単な言葉のようですが、取り方を間違えると、 とんでもない勘違いを生じてしまうので、注意が必要だと思います。 即心是仏は、「即心即仏」、「是心是仏」ともいい、類似の言葉は、多くのお経で説かれています。 禅宗では、馬祖道一のものが有名のようです。 華厳経の唯心偈では、「心は諸の如来を造る」と説かれていますし、 六祖壇経には、「愚人も智人も、仏性はもともと差別はなく、ただ、心が迷ってしまうか、 仏性に気づくかによって、愚かであるか智者であるかが決まるのである」と説かれています。 また、空海も般若心経秘鍵の中で、「それ仏法はるかにあらず、心中にして即(すなわ)ち近し」と説いています。 つまり、仏教は心の教えであり、心の持ち方によって、仏にもなれば、凡夫にもなるということですが、 たとえ凡夫であっても仏性が隠れているという意味だと思います。

重要語の意味

即心=「そくしん」と読み、そのままの心。自性清浄心。直心。六根清浄。  是仏=「ぜぶつ」と読み、これはほとけである。  即=ただちに。まさしく。  心=こころ。  是=これ。  仏=ほとけ。  勘違い=「かんちがい」と読み、あやまって理解すること。  類似=「るいじ」と読み、にているもの。  禅宗=「ぜんしゅう」と読み、座禅を重要な修行法として伝わった仏教。  馬祖道一=「ぼそどういつ」と読み、中国、唐の時代の禅僧。慧能の弟子えじょうより法をつぐ。弟子が800人ほどいた。[709-788]。  華厳経=「けごんきょう」と読み、十地品と入法界品を中心に仏の世界観をあらわした経の集まり。  唯心偈=「ゆいしんげ」と読み、華厳経で説かれる短い言葉。夜摩天宮菩薩説偈品と十地品にある。  諸=「もろもろ」と読み、さまざま。  如来=「にょらい」と読み、仏をうやまって言う言葉。  造る=「つくる」と読み、うみだす。  六祖壇経=「ろくそだんきょう」と読み、禅宗第六祖である慧能の説法などを弟子の法海(ほっかい)が書き残したもの。  愚人=「ぐじん」と読み、おろかな人。凡夫。  智人=「ちじん」と読み、智慧のある人。悟っている人。  仏性=「ぶっしょう」と読み、仏としての性質。仏が悟り衆生に説いた人間の本性。  差別=「しゃべつ」と読み、さべつ。ちがい。  空海=「くうかい」と読み、日本の真言宗の開祖。弘法大師。日本に密教を伝えた人。[774-835]。  般若心経秘鍵=「はんにゃしんぎょうひけん」と読み、空海が晩年にあらわした般若心経の解説書。  仏法=「ぶっぽう」と読み、仏の教え。  仏=「ほとけ」と読み、般若の智慧を備えた人。  凡夫=「ぼんぷ」と読み、煩悩にそまっている人。 

いわれ(歴史)と重要度

無門関。 唯心偈。  六祖壇経。  観無量寿経。  般若心経秘鍵。  法句経。  修証義。  七仏通戒偈。   重要度=☆☆       難易度=むずかしい。

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即心是仏


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