●杯中蛇影

読み(ひらがな)

はいちゅう の だえい

意味

あることを疑い始めると、そのことを次々に疑い続け、自分に害を与えるのではないかと思い込み、心を悩ますことのたとえ。

解説

この四字熟語には次のような故事があるようです。 「ある人が友人の招きで、お酒を飲んだ時、自分のさかずきの水面に蛇の像が 映っているように見えたけれど、お酒を断ることができず、そのまま飲み干しました。 そのことが気にかかり病気になってしまいます。しかし、友人からさかずきの中に 映っていた蛇は、壁にかけてあった弓であることを知らされると、病気がすぐに 治ってしまいました。」という言い伝えです。 ひとつの間違った疑いが、次々と妄想を作り出し、ついには病気になってしまったということのようです。 「疑心暗鬼を生ず」と同じようなことばです。 今、世界じゅうに広まってしまった新型コロナに関しては、多すぎる情報によって杯中蛇影とならないよう、 正しく恐れて、正しい予防を心がけたいです。

重要語の意味

杯中=「はいちゅう」と読み、さかずきのなか。  蛇影=「だえい」と読み、水面に映るへび。  杯=さかずき。酒をつぐうつわ。  中=なか。内部。  蛇=へび。  影=かげ。水面に映る像。まぼろし。  疑う=「うたがう」と読み、結果などを見てそれが間違っているのではないかと思う。  害=「がい」と読み、悪いことをおこすもの。わざわい。  思い込む=「おもいこむ」と読み、心にふかく思う。  心を悩ます=「こころをなやます」と読み、心を苦しめる。  故事=「こじ」と読み、古い言い伝え。  招き=「まねき」と読み、まねくこと。お客としてよぶこと。  酒=「さけ」と読み、アルコールを含むのみもの。飲むと酔(よ)いがおきる。  さかずき=酒をいれるうつわ。  蛇=「へび」と読み、細長い筒状の動物。  映る=「うつる」と読み、色や形が他のものの上にあらわれる。  断る=「ことわる」と読み、相手からのさそいなどをいらないとする。  飲み干す=「のみほす」と読み、うつわにある酒をすべて飲む。  病気=「びょうき」と読み、体が正常でなくなり苦しむこと。やまい。  壁=「かべ」と読み、家のまわりにあるかこい。  弓=「ゆみ」と読み、竹などの長い棒につるをはって矢をいるための道具。  治る=「なおる」と読み、病気がおさまって健康になる。  妄想=「もうそう」と読み、現実に起こっていないことを心の中で作り上げていくこと。  新型コロナ=「しんがたころな」と読み、新型コロナウイルスによる感染症。  情報=「じょうほう」と読み、テレビやインターネットなどからの出来事の内容や知識。  恐れる=「おそれる」と読み、こわがる。警戒する。備える。  予防=「よぼう」と読み、手洗い、うがい、マスク、栄養バランスのよい食事、運動と休養。 

いわれ(歴史)と重要度

晋書(しんじょ)。   風俗通義。     重要度=☆☆☆     難易度=ふつう

スポンサードリンク

杯中蛇影


.