●天理人欲

読み(ひらがな)

てんり じんよく

意味

自然の道理と人の欲望。

解説

人が手を加えなくても存在することのできる本来の理由と、人間の心の中に生じてくる何かをやりたいと思うことの、 2つの概念のようです。物事が自然にあるということに関しての理屈と、人が外の世界から受けることによって生まれた欲望は、 同じものではなく常に矛盾を含んでいる場合が多いので、自然の道理に従うことができるように人の欲望をどのように扱うかが多く論じられてきたようです。 人間も、天の道理に従って存在しているはずですが、人間の欲望は、この天の道理を覆い隠し、私的な欲を 貫く場合があると思います。また、「学問のすすめ」では、「天理」や「天の道理」という言葉が多く使われています。

重要語の意味

天理=「てんり」と読み、天の道理。自然の道理。  人欲=「じんよく」と読み、人間の私的な欲望。  天=@天然。大自然のちから。A万物の主宰者。  理=道理。理由。ことわり。  人=ひと。人間。  欲=@のぞむ。ほしい。Aしようとする。  道理=「どうり」と読み、ものごとがあるために必要となるすじみち。  すじみち=理由の流れ。原因の変化。  欲望=「よくぼう」と読み、何かがほしいとか何かをしたいと思う心。  私的=「してき」と読み、その人にしか分らないようす。その人の心の中のようす。  自然=「しぜん」と読み、@人の手が加わらないそのままのようす。A人やものに本来そなわっているもの。本性。  概念=「がいねん」と読み、あることに関する一般的な考え方。  扱う=「あつかう」と読み、@ものを操作する。A処理する。  覆う=「おおう」と読み、ものが見えないように上にのせること。  隠す=「かくす」と読み、見えないようにする。  貫く=「つらぬく」と読み、のぞみや目的をはたす。のぞみ通りにする。  矛盾=「むじゅ」と読み、物事の道理が同じにならないこと。  論じる=「ろんじる」と読み、ろんずる。あることについて意見をいう。  学問のすすめ=「がくもんのすすめ」と読み、明治の初め福沢諭吉によって書かれた啓蒙書。最初の「天は人の上に人を造らず」は有名。 当時としてはベストセラーの本であったらしい。 

いわれ(歴史)と重要度

礼記・楽記。   伝習録。   学問のすすめ。   重要度=☆    難易度=むずかしい

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天理人欲


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