●仏籬祖室

読み(ひらがな)

ぶつり そしつ

意味

仏陀の教えと、達磨の教えをたとえた言葉。

解説

「仏」は仏陀。「籬」はまがきで垣根のこと。「祖」は祖師のことで達磨大師。 「室」は部屋という意味があるようです。 仏陀も祖師も、ともに人を隔てたところの存在で、仏祖が獲得した心の世界は、 私たち一般人と隔絶された世界であることを示した言葉ではないかと思います。 また、仏陀の教えは、垣根のように見通しがよく広く多くの人たちに説かれていますが、 達磨の教えは、部屋の壁に隔てられ、よく見えないので凡夫には理解が難しいという 意味があると思います。つまり、禅宗は、坐禅の体験だけを示し、教義がはっきりしていない為、 内容が分かりにくいということです。

重要語の意味

仏=仏陀。釈迦。  籬=まがき。垣根。竹などで作った垣根。人を隔てる意味がある。  祖=祖師。達磨大師。禅宗の開祖。  室=部屋。へや。奥の部屋。  仏陀=「ぶっだ」と読み、仏教の真理である縁起と四諦を説いた人。仏教の開祖。  達磨=「だるま」と読み、仏陀の教えを受け継ぎ坐禅を基本に教えを伝え残した人。  垣根=「かきね」と読み、@他と区別するためのしきり。A人と人を隔てるもの。  祖師=「そし」と読み、仏教でひとつの宗派を開いた人。  達磨大師=「だるまだいし」と読み、達磨を敬って言うことば。  部屋=「へや」と読み、家の中をいくつかに区切ったもののひとつ。  隔てる=「へだてる」と読み、しきる。人と人との間に距離を置く。さえぎる。  仏祖=「ぶっそ」と読み、釈迦と達磨。  獲得=「かくとく」と読み、繰り返し経験し自分のものにする。  心の世界=「こころのせかい」と読み、境地。心境。心の持ち方。  隔絶=「かくぜつ」と読み、とおくへだてること。  壁=「かべ」と読み、たてものの周りをかこむもの。  凡夫=「ぼんぷ」と読み、仏教の真理を理解していない人。  禅宗=「ぜんしゅう」と読み、達磨を祖師とする宗派。不立文字、教外別伝などを掲げ、文字や言葉を拠りどころとしない宗派。  坐禅=「ざぜん」と読み、足を組み手を組んで黙ったまま、すわり続けること。  教義=「きょうぎ」と読み、宗教で真理などを文字であらわしたもの。 

いわれ(歴史)と重要度

松尾芭蕉(まつおばしょう)・幻住庵の記(げんじゅうあんのき)。    重要度=☆     難易度=むずかしい。

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仏籬祖室


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