●井蛙は以て海を語るべからず

読み(ひらがな)

せいあは もって うみを かたるべからず。

意味

井戸の中に住んでいる蛙に、海の話をしても、理解することができないから無駄であるということ。

解説

もとの意味を音吉流に書いてみますと、「井戸の中にいる蛙は、それゆえに、海の話をしてはいけない」となり、広い海を見たことのない蛙に、 海の話をしても、話をした効果が得られない、ということと思います。話を聞く人が、あることを経験によって知識を得ていなければ、 そのあることを言葉で説明しようとしても、多くのことを語らなければならないし、はたして、聞く人が、 そのことを本当に理解できているのかは、本人しか分からないから無駄であるということと思います。 また、狭い見識しかない人に、大きな道理を説いても無駄である、という意味もあるようです。

重要語の意味

井蛙=「せいあ」と読み、井戸の中に住んでいるかえる。見識の狭い人。  以て=「もって」と読み、それゆえに。だから。  海=「うみ」と読み、@地球の多くの部分をしめ海水でおおわれた所。とても広く大きなもの。A奥深いもののたとえ。  語る=「かたる」と読み、人にあることを知らせるために言葉で言うこと。  べからず=べしの否定。、、をしてはいけない。  井戸=「いど」と読み、地面を深くほって水をくみ上げるための場所。  蛙=「かえる」と読み、川や池などに住む両生類の動物。  理解=「りかい」と読み、ものごとの意味を知ること。  無駄=「むだ」と読み、役に立たないこと。効果がないこと。  経験=「けいけん」と読み、実際に見たり聞いたり体を使って何かをしたりすること。  知識=「ちしき」と読み、経験などによって得た記憶。知っていること。頭の中でイメージできること。  狭い=「せまい」と読み、小さい。少ない。  見識=「けんしき」と読み、物事の本当のすがたを認識するちから。見たり聞いたりしたことを直ちに自分の知識と結びつけて 外部のものを正しく見分けるちから。  道理=「どうり」と読み、ものごとの理屈にあったすじ道。あたりまえで正しいこと。 

いわれ(歴史)と重要度

荘子・外篇の秋水篇。     重要度=☆☆☆

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