●怒らないこと    (役立つ初期仏教法話1)

読みと(出版社)

いからないこと。     (潟Tンガ)。

紹介と感想など

音吉は仏教について長い間、勉強してきたつもりでしたが、とても大切なことを見失っていたようです。 仏教は、お釈迦さまが、人々の苦しみや悩みを見て、その苦しみを癒やし幸福を願うことによって生まれた教えで、その教えを伝えようとするものです。 特に、お釈迦様直伝の出家者の仏教は、内容が深く難解な為、世間となじまない性質のもので、常に世間から追いやられてきたもののようです。 その問題点を解決しようとして生まれたのが、大乗仏教という考え方ではないかと思いますが、 その大乗仏教の教えでさえも嫌われているように感じます。音吉自身の考え方も、体裁ばかりを気にして本当の意味で仏教を知ろうと していたのか疑問に感じます。この本に出てくる「怒らない」という具体的な心の性質を示され、 はじめて煩悩としての怒りの意味が再認識された気がします。音吉が、かつて知っていた仏教の知識では、 「怒らない」ということを、これ程、大きなテーマとして取り上げている例を知りません。せいぜい 十重禁戒の不瞋恚戒ぐらいしか思い出せませんし、この戒の名称も知ってはいましたが、本来の意味が どういうことなのかを全く理解していませんでした。そういう意味で、この本は、仏教の中、特に、 原始経典の中に、怒りに関する記述があることを指摘し、怒らないことの大切さを主張しています。 確かに、原始経典の法句経の中には、怒りに関する記述が多く書いてあり、「怒り」という章まで 設けられています。怒りという感情はとても不思議なもので、自分が怒っていないと思っていても 気づかないうちに、その感情が引き起こされてしまう厄介な感情です。ですから怒りを起こさないという ことは、非常に難しく、そう簡単には達成できないし、なかなか受け入れることの難しい心の状態であると思います。 音吉にとって、この本の内容すべてを受け入れることはできず疑問点がいくつかありますが、 それ以上に大切なものを得ることができ、とても感謝しています。   [総ページ数=203]

印象に残った言葉

偉大な人ほど謙虚でいられる。    今の瞬間の自分に気づくこと。    自分で気づかない根本の気持ち。    一瞬。    感情。    ドーサ。    固定概念。    智恵。    チャンナ。    自己観察。    サーリプッタ。    アインシュタイン。    エゴ。    不瞋。   

著者の紹介

アルボムッレ・スマナサーラ(Alubomulle Sumanasara)
1945年4月、スリランカ生まれ、スリランカ上座部仏教長老。駒澤大学大学院博士課程を経、 日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教のブッダの教えを説いている。

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