●唯識の思想   

読みと(出版社)

ゆいしきの しそう。     (講談社)。

紹介と感想など

仏教の専門分野である唯識という考え方は、人の心の中を説いたものなので、とても難しいです。 唯識は、ヨーガを実践していた人たちが瞑想体験から実際に感じ取った世界観を言葉にしたものなので、 一般の私たちには、なじみのないもので、とてもわかりにくいものになっていると思います。 その意味で、本書は、瞑想体験のない人にも、知ることができるようになっていると思います。 音吉が唯識を初めて知ったのは、もう20年くらい前だと思いますが、今だによく理解できていません。 わからないなりに、理解している内容を書いてみます。唯識の識とは心の中のことで、ただ心だけが存在するということです。 唯識の特徴として、八識という考え方があり、 八識は、心のおもてに現われてくる六識と、その意識の裏側で絶えず意識をコントロールしている潜在意識の 2つに分けられます。六識は、五感を認識するための五識と感情や思いなどを生じさせる意識があります。 心のおもてに現われない潜在意識は、未那(まな)識と阿頼耶(あらや)識の2つです。 未那識は、六識を巧みにコントロールして自分という何の疑いも持たない虚構を作り上げている識です。 阿頼耶識は、さらにその未那識をつかさどる最も深いところにある識で、音吉にはよく理解できていません。 唯識は、仏教の基礎である倶舎論(くしゃろん)などを学んだ瞑想実践者が悟りに近づくための高度な教えなのかもしれません。 音吉にとって唯識は必要ですが、凡夫として忘れてはいけない仏教の基本は、四諦と蘊処界の考え方であると思います。 唯識は、仏教の真理である縁起、つまり、私たちが、お互いに関係し合って生きているという依他起性を気付かせるための方便なのかもしれません。   [総ページ数=280]

印象に残った言葉

五蘊を縁じて我と執する(11)    自体転じて二分に似る(56)    心が外に流れ出ています(58)    我と万物は同一根(176)    それは仏陀の境界であるから(183)    私たちは存在を観察しているのではなく、存在に関与している(190)    自己変革への大きな動因(204)    結跏趺坐して静かに坐るヨーガ(208)    発散する蛇口を変えて他者救済のために(246)    唯識無境。    一人一宇宙。    人人唯識。    相分と見分。    正聞薫習。    名言種子。    三性説。    遍計所執性。    依他起性。    円成実性。    威儀即仏法。    一水四見。    自他一如。    観心覚夢抄。    阿頼耶識縁起。    量子力学。   

著者の紹介

横山 紘一(よこやま こういつ)。
1940年、福岡県生まれ。
1974年、東京大学大学院印度哲学博士課程修了。
立教大学名誉教授。  専攻は唯識思想。


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