●和を以て貴しと為す
読み(ひらがな)わをもって とうとしとなす。 |
意味人々がお互いに、仲良くやっていくことが、とても大切なことである、ということ。 |
解説私たちが、みんな心をおだやかに持ち、相手の気持ちを考え、人と人とのつながりをよくしていくことが、 もっとも大切である、ということのようです。この後に続けて、「忤うること無きを宗とせよ。」とあります。 意味は、「相手に逆らうことなく争いごとをしないことが大切である。」ということと思います。 このことわざは、礼記の中の言葉で、聖徳太子が、憲法十七条の第一条に取り入れたもののようです。 憲法十七条では、ことわざの最後の部分が「為す」で文章が終了するのではなく、「為し」に続けて、上の言葉「忤うること無き」があるようです。 2つの文章をつなげてみますと、「心をおだやかに持ち、争いごとのないようにしなさい。」という意味になり、より分かりやすくなると思います。 憲法十七条では、この後に、まだ文章があります。少し単語が難しくなるかもしれませんが、また、解釈が間違っているかもしれませんが、現代語にしたものを載せておきます。 「人は誰でも好き嫌いがあり、それに従って仲間を作ってしまい、また、全てのことを理解している達人は、殆どいない。 だから、君主や親に従わなかったり、他人と主張や考えが違ったりする。しかし、上の者が、心をやわらかに持ち、 また、下の者が、感情を細やかに持って、お互いが、やわらいだ気持ちで接すれば、さまざまなことを議論する時に、うまく調和するであろう。 すなわち、それぞれの主張や考えは、おのづからつながり、全ての事はうまくゆくはずである。」 |
重要語の意味和=「わ」と読み、仲が良いこと。やわらぐ。おだやか。 以て=「もって」と読み、もちて。によって。を使って。 貴し=「とうとし」と読み、とうとい。大切である。 為す=「なす」と読み、@となる。A何かの行為をする。 お互い=「おたがい」と読み、あなたと私。我々。みんな。 仲良く=「なかよく」と読み、人と人とのつながりがよいこと。 大切=「たいせつ」と読み、なくては困るほどに重要なようす。 忤うる=「さからうる」と読み、さからう。人の意見などに反対する。いやだと言う。みだれる。 宗=「むね」と読み、たっとぶこと。大切なこと。とうといこと。 逆らう=「さからう」と読み、人の意見などに反対する。 争い=「あらそい」と読み、自分の正当性を通して相手を嫌うこと。けんか。 礼記=「らいき」と読み、儒教の経典のひとつ。礼についてのさまざまなことが書かれている本。 聖徳太子=「しょうとくたいし」と読み、推古天皇の摂政をした人。仏教をよく研究し後の仏教に大きな影響を与えた人。[574-622]。 憲法十七条=「けんぽうじゅうしちじょう」と読み、17の項目から作られている日本最古の成文法。仏教と儒教の影響が強い。 |
いわれ(歴史)と重要度礼記。 憲法十七条。 重要度=☆☆☆ 難易度=むずかしい |
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