●人の小過を責めず

読み(ひらがな)

ひとの しょうかを せめず。

意味

他人の小さな過失を責めない、ということ。

解説

他人の小さな失敗などを悪く言うと、その人から憎まれることになるから、しない方がよいということであり、 人と人とが憎み合うことなく、よい関係を保つための方法として、最初にあげている言葉のようです。 菜根譚という本では、人から恨まれないようにするため実行しなければならないこととして次の3つを提案しています。 @他人の小さな過ちを責めない。A他人の隠し事をあばかない。B他人の昔の悪事や失敗を忘れる。この3つを守れば、 自分の徳を養うことになり、人から恨まれることもなく、人間関係がうまくいく、ということのようです。

重要語の意味

人=「ひと」と読み、自分以外の人間。他人(たにん)。  小過=「しょうか」と読み、小さな過失。小さなあやまち。  責めず=「せめず」と読み、せめない。あやまちや失敗などを悪く言わない。  過失=「かしつ」と読み、あやまち。思ってもみない失敗。  憎む=「にくむ」と読み、いやな人だと思ってきらいになる。  菜根譚=「さいこんたん」と読み、中国の明の時代に書かれた本。359句の短い文章で処世訓をつづったもの。 儒教、道教、仏教の考え方にもとづいている。著者は洪自誠(こうじせい)で、日本では江戸時代後期から広く愛読されている。  実行=「じっこう」と読み、実際におこなうこと。  提案=「ていあん」と読み、ある考えなどを出すこと。  隠す=「かくす」と読み、見えないようにする。秘密にする。  あばく=他人の悪事などを探し出して多くの人にわかるようにする。  悪事=「あくじ」と読み、わるいこと。わるいおこない。  失敗=「しっぱい」と読み、やってみたけれど目的をはたせなかったこと。しくじり。  徳=「とく」と読み、よいこと。めぐみとなること。  養う=「やしなう」と読み、人格などを育てる。徳を作り上げる。  恨む=「うらむ」と読み、不満に思う心を持ちつづける。 

いわれ(歴史)と重要度

菜根譚(さいこんたん)前集105。   重要度=☆    難易度=ふつう

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