●船頭多くして船山へ登る

読み(ひらがな)

せんどう おおくして ふね やまへのぼる。

意味

さしずする人が多くいると、物事がまとまらなかったり、見当違いなほうに進んでしまうことのたとえ。

解説

全体をまとめるためには、誰かの指示によって、まとめなければなりませんが、指示する人がたくさんいるために、 なかなか物事がまとまらず、とんでもない方向へ進んでしまうことがある、ということのようです。 ひとつの船の中で、船員をまとめる人が多くいると、船を進めるための櫓(ろ)や帆(ほ)がまとまらず、船が山にのぼってしまうような、 とんでもないことが起こってしまう、ということから生まれたことわざのようです。船は、「和船」と言って、櫓と帆によって進む、 比較的大きな船のことではないかと思います。

重要語の意味

船頭=「せんどう」と読み、船の中で働く人たちに指示を出して船の進む方向を決める人。  多くして=「おおくして」と読み、多くいるため。  船=「ふね」と読み、川や海などの水の上に浮かべて行ったり来たりする乗り物。  山=「やま」と読み、平地より高いところにあるもの。船が行けないところ。  登る=「のぼる」と読み、山などの高いところに行く。  さしず=人に何かをさせるために言いつけること。命令すること。指示。  指示=「しじ」と読み、命令を与えること。指図(さしず)すること。  見当違い=「けんとうちがい」と読み、予想とは異なること。  船員=「せんいん」と読み、船の中で働く人。  櫓=「ろ」と読み、水を掻いて船を進めるための道具。  帆=「ほ」と読み、風によって船を進めるためのもの。  掻く=「かく」と読み、水をおしのける。  和船=「わせん」と読み、日本独自の木造の船。室町時代から江戸時代にかけて使われた櫓と帆によって進む船。 

いわれ(歴史)と重要度

千紅万紫(せんこうばんし)。    重要度=☆☆☆   

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