●磯の鮑の片思い
読み(ひらがな)いその あわびの かたおもい。 |
意味あわびの貝殻が片方にしかないことに似せて、自分の片思いを、 しゃれていうことば。 |
解説鮑の「片貝」の「片」と、恋の「片思い」にかけていったことわざで、かなり 古くからあるようです。万葉集巻十一にある「伊勢のあまの朝な夕なにかづくとふ、 鮑の貝の片思いにして」、から生まれているようです。意味は、「私の恋はいつも、 伊勢のあまさんが朝と夕方、海にもぐっては取っている、あわびの貝に似て、 片思いばかりです」という意味のようです。余談ですが、万葉集巻十一と十二には、恋の歌が 多く載っているようです。 |
重要語の意味磯=「いそ」と読み、海岸のことで、特に岩が多く、波が打ち寄せるところ。 鮑=「あわび」と読み、ミミガイ科の巻貝。 片思い=「かたおもい」と読み、恋愛で、一方が何とも思っていないのに、片方だけが 恋しいと思うこと。相手に思いが通じない恋。 片貝=「かたがい」と読み、貝がらが片方しかない貝。一枚貝。 巻貝=「まきがい」と読み、ぐるぐると巻かれた貝がらを持つ貝。さざえ。あわびなど。 万葉集=日本最古の和歌集。奈良時代の770年頃、天皇から庶民まで、4500もの和歌が載っている。 |
いわれ(歴史)と重要度万葉集巻十一、2798。 重要度=☆☆☆ |
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