●盗人と智者の相は同じ

読み(ひらがな)

ぬすびとと ちしゃの そうは おなじ。

意味

顔つきだけでは、その人が善人か悪人かの、判断はできない、というたとえ。

解説

人相が悪いからといって悪人とは限りませんし、人相が良いからといって善人であるという ことも分かりません。その人のことを確かめもせず、勝手な思いつきで、その人の ことを決めつけてはいけない、といういましめの意味があると思われます。このことわざの いわれは、お釈迦さんの弟子の一人、舎利弗という僧が、悟りを開く前の昔は、知恵を働かせ 盗人をしていた、ということらしいです。

重要語の意味

盗人=「ぬすびと」と読み、他人の持ち物を無断で、持ち去ってしまう人。 どろぼう。また、悪いことをする人をののしることば。「ぬすっと」とも発音する。  智者=「ちしゃ」と読み、徳と智慧をもったすぐれた僧。高僧。  相=「そう」と読み、人相。人の顔つき。  顔つき=顔の形や表情など、表に現れた雰囲気。  同じ=似ていて区別がつかない。  悪人=悪いことをする人。  善人=良いことをする人。  舎利弗=「しゃりほつ」と読み、お釈迦さんの弟子の一人で、 智慧が一番すぐれていた僧。サーリプッタ。舎利子。 

いわれ(歴史)と重要度

鎌倉時代の仏教説話集、「沙石集(しゃせきしゅう)」巻七の十六。   重要度=☆☆   

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盗人
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