●陰徳あれば陽報あり

読み(ひらがな)

いんとくあれば ようほうあり。

意味

人に知られない徳行は、必ず、よい報いとなって表にあらわれるということ。

解説

徳から生まれた人に知られることのない行いは、間違いなく良い結果となって外にあらわれる、ということのようです。 このことわざで、特に重要となる「陰徳」について考えてみたいと思います。 陰徳は、人に知られることのない徳行であり、徳行とは、徳によってもたらされる行いであると思います。 また、この場合の徳とは、人の目に触れることのない内面的な道徳性であり、修養によって身につくものだと思います。 老子という本には、「道」と「徳」が多く用いられ、徳は道と深い関係にあるようなので、徳を言葉であらわすのは、 とても難しいことですが、あえて言葉にしてみますと、徳から生じる行いのひとつの例として、仏教の六度が考えられます。

重要語の意味

陰徳=「いんとく」と読み、人に知られない徳行。目に見えない徳。かくれた善行。  陽報=「ようほう」と読み、表にあらわれるよい報い。  徳行=「とっこう」と読み、徳によって生まれる行い。  必ず=「かならず」と読み、きまって。まちがいなく。  報い=「むくい」と読み、よい事、悪い事をした結果みずから受けるもの。  表=「おもて」と読み、外にあらわれるもの。  徳=「とく」と読み、@内面的な道徳性。A人に与えるめぐみ。B仁。  行い=「おこない」と読み、身体を動かすこと。何かをすること。  もたらされる=あることが原因となって、ある状態を生じる。  内面的=「ないめんてき」と読み、内側であること。かくされていること。  道徳=「どうとく」と読み、@社会生活の秩序を守るため個人が行うべき規範。A老子の説く道徳。  修養=「しゅうよう」と読み、学問をおさめ心をみがいて人格を高めること。  老子=「ろうし」と読み、道家の開祖によって書かれた書物。  道=「どう」と読み、世界の根源を成すもので道家の基本となる考え方。  六度=「ろくど」と読み、六波羅蜜。布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧。  触れる=「ふれる」と読み、さわる。はいる。 

いわれ(歴史)と重要度

淮南子(えなんじ)。   老子51。   法句経184。    重要度=☆☆☆     難易度=むずかしい

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陰徳
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