●濡れ衣を着る

読み(ひらがな)

ぬれぎぬを きる。

意味

自分は、何も悪いことをしていないのに、罪人あつかいされることのたとえ。 又、全く根拠のない悪いうわさを立てられることのたとえ。

解説

濡れ衣は、濡れた着物を意味していますが、それが、なぜ、「身に覚えのない罪や、悪いうわさ」と いう意味になったのか、よく分かりませんが、この言葉は、平安時代初期の 「伊勢物語」の中で、使われているようですので、男女の色事と何か関係があるのかもしれません。 又、「濡れ衣を着せる」という表現もあるようで、これは、他人に対して、無実の罪や、悪いうわさを 負わせるという、ことのようです。

重要語の意味

濡れ衣=「ねれぎぬ」と読み、濡れた着物、自分では、何も悪いことを していないのに、罪を負わされたり、悪いうわさを立てられること。  根拠=「こんきょ」と読み、考え方や言葉などの基本となる理由。  色事=男と女の恋愛に関する、おこない。  負う=他人から悪いことなどを受ける。(良いことを受けるには使わない)。

いわれ(歴史)と重要度

伊勢物語・第61段。   重要度=☆☆☆

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伊勢物語

平安時代初期に、書かれたと考えられている書物。 音の数を整える事によって、きれいに表現された文章を中心に作られているようです。 短い文章からなる物語の集まりで、作者は、不詳ですが、 当時の、歌人、在原業平(ありわらのなりひら)という人を 主人公にしたと、考えられている物語。 内容的には、男と女の恋愛に関する、ものが日記風につづられ、125個の 話が載せられているようです。長歌、短歌なども載せられているようです。

「濡れ衣」は、第61段に、男女の歌として、載っているようです。 女性が、濡れ衣を、たとえて、「島の岩が、波に濡れている」ということを歌っているようですが、 なぜこのような表現をしているのかは、よく分かりません。 「濡れる」という言葉が、男女の肉体関係と、何か関係があるのかもしれません。

濡れ衣
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