●廓然無聖

読み(ひらがな)

かくねん むしょう。

意味

心が広々として、求めようとする真理がなく、何ものにもとらわれない、ということ。

解説

この四字熟語は、禅問答で最も有名なもののようです。禅を始めたお坊さん 達磨がインドから中国にやって来た時、当時、国を治めていた仏教好きの武帝という 王とのやり取りの時に出てくる言葉のようです。そのやり取りとは次のようなものです。 武帝が「私は長くお寺を作りお経を写させ僧を育ててきたが、どんな功徳があるのか?」、 達磨が「功徳などありません」と答え、さらに武帝が「それならば仏教の大切な真理とは何か」と聞くと、 達磨が「廓然無聖」と答えたというやり取りから生まれた言葉のようです。 少し難し過ぎる言葉を選んでしまい音吉にもよくわかりませんが、武帝と達磨のやり取りをみると、 功徳を求めようとしては本当の功徳にはならず、そのようなことにとらわれないことが大切である、 ということではないかと思います。

重要語の意味

廓然=「かくねん」と読み、心が広々としからりとしてとらわれないようす。空(くう)と同じ意味か?。  無聖=「むしょう」と読み、求めようとする聖がないので悟りや真理という、とらわれがないということ。  禅問答=「ぜんもんどう」と読み、師から弟子へ質問を出しそれに答えることによって悟りに近づこうとする禅のやり取り。公案。  功徳=「くどく」と読み、良い行いの結果としての利益。  達磨=「だるま」と読み、嵩山の少林寺で九年間座禅をし中国へ仏教を伝え禅を始めた僧侶。達磨大師。  武帝=「ぶてい」と読み、中国の南北朝時代(西暦420-589年)に梁という国を初めた王。仏教によく帰依し仏心天子と呼ばれた。 

いわれ(歴史)と重要度

碧巌録(へきがんろく)。  景徳伝燈録(けいとくでんとうろく)。   重要度=☆☆☆

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廓然無聖

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