●五蘊盛苦

読み(ひらがな)

ごうん じょうく

意味

迷いとして生じている五蘊は、苦しみを盛る器のようなものである、ということ。

解説

悟りを開いていない人の5つの要素は、苦しみをつみ上げていく入れ物のようなものである、ということのようです。この四字熟語は仏教の言葉で、 五蘊とは、肉体と心をあらわし、「色受想行識」です。色は目や耳鼻などのからだのことであり、受想行識が心をあらわす言葉です。 心の部分に関しては、音吉もよく理解していませんが、本などを参考にして得た知識を書いてみますと次のようになると思います。 たとえば、何かを見たり聞いたりした時、外の世界の変化を受け取る心として「受」があり、それに従って何かを思う心としての「想」が生まれ、 想によって何かをしようとする「行」が生まれ、行によって何かを認識する心「識」が生まれるのではないかと思います。 つまり、人間の心の中には、4つの心があり、さまざまに変化しているためと、特に受と行は対立する心なので上手にまわさないと、この4つの流れが乱れ、 貪りや怒り愚痴などの煩悩の心が起こり、やがて、少しずつその思いがつみ重なって、 苦しみを生む原因を作っていくのではないかと思います。五蘊は、何かを思ったり、何かをしようとする時、必ず動いているものではないかと思います。 そして、仏教的に言えば、「五蘊を空と見る」ことができれば、苦しみを離れる智慧を得ることができる、ということだと思います。

重要語の意味

五蘊=「ごうん」と読み、人間を構成している5つの要素。色受想行識。因縁を示す5つの要素。「五陰(ごおん)」とも書く。  盛苦=「じょうく」と読み、苦しみを盛ること。苦しみが盛んなようす。  苦しみ=「くるしみ」と読み、悪いことや思うようにならないことが起こった時、つらいと思うこと。  色=「しき」と読み、五根とその対象となるものの活動。  受=「じゅ」と読み、色によって生じたものを受けて覚知する受動的な心。  想=「そう」と読み、受によって起こる好きとか嫌いとかの思い。  行=「ぎょう」と読み、想によって起こる能動的な心。身口意の三業。潜在的な意志。  識=「しき」と読み、意識として認識する心。六識をイメージする心。  盛る=「もる」と読み、うつわの中に積み上げるように入れる。  器=「うつわ」と読み、いれもの。  悟り=「さとり」と読み、煩悩の心から離れ心をおだやかに保つこと。  認識=「にんしき」と読み、識を認めること。識を見ること。  迷い=「まよい」と読み、@どっちのほうに進んだらよいかわからなくなる。A悟りを開けないこと。  五根=「ごこん」と読み、眼、耳、鼻、舌、身。  六識=「ろくしき」と読み、眼識、耳識、鼻識、舌識、身識、意識。。  対立=「たいりつ」と読み、受は受動的であるのに反して行は能動的な心であるため両者の方向が食い違った時互いに争いを起す。  煩悩=「ぼんのう」と読み、心を煩わすもので、むさぼり、いかり、ぐち、おごり、うたがいなど。苦しみ。  智慧=「ちえ」と読み、真理をよく理解して心の安らぎを得ること。 

いわれ(歴史)と重要度

雑阿含経・重擔経。   重要度=☆   

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五蘊盛苦


本の紹介
仏教は心の教え