●神仏習合

読み(ひらがな)

しんぶつ しゅうごう

意味

日本の神の信仰と、当時新しかった仏教の信仰を重ね合わせた日本独自の大乗仏教の考え方。

解説

日本には古くから伝わる神様の信仰がありましたが、6世紀頃、仏教が大陸から伝わり、聖徳太子によって世の中に広められました。 奈良から平安時代にかけては、神社側からの求めもあり、神宮寺が各地に設けられるようになったようです。しかし、 神様を信じる人たちの反発もあった為か、仏教側が神様を受け入れ、本地垂迹という考え方を取り入れ、神は、日本人を救うため 仏や菩薩が仮に形を変え神様の姿をして現われているとし、権現という考え方まで発展させたものではないかと思います。 この考え方は奈良時代の神宮寺に始まり、江戸時代の終わり頃まで続き、明治維新の時、神社側の反発から神仏分離政策に至ったと考えられます。 最澄と空海はともに、土地の神を受け入れ仏教の守護神としていたようです。山岳信仰のひとつ修験道も神仏習合の影響下、生まれたと考えられます。 神仏混淆(しんぶつこんこう)とも言います。

重要語の意味

神仏=「しんぶつ」と読み、神と仏。  神=「かみ」と読み、神道。日本に古くから伝わる神の信仰。  仏=「ほとけ」と読み、真理に目覚め悟りを開いた人。ブッダ。釈迦牟尼世尊。  習=「しゅう」と読み、かさねる。繰り返し練習する。  合=「ごう」と読み、合わせる。  信仰=「しんこう」と読み、神や仏を信じてその教えを守ってゆくこと。  聖徳太子=「しょうとくたいし」と読み、日本で初めて仏教を政治に取り入れ十七条憲法などを制定した人。[574-622]。  本地垂迹=「ほんじすいじゃく」と読み、仏や菩薩が日本人を救うため仮に神の姿で現れること。  菩薩=「ぼさつ」と読み、仏の教えを信じ、その教えに従って人々を救う努力をしている人。観音菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩など。  権現=「ごんげん」と読み、本地垂迹説の発展したもの。かりに神様となって現れること。衆生救済の化身。  大乗仏教=「だいじょうぶっきょう」と読み、自利利他を目的とした民衆(凡夫)のための仏教。  神宮寺=「じんぐうじ」と読み、神社やその近くに建てられたお寺。社僧(仏事を修める僧侶)が神前でお経などを読んで供養した。  神仏分離政策=「しんぶつぶんりせいさく」と読み、政府が全国規模で神仏習合の廃止を行ったこと。  化身=「けしん」と読み、仏や菩薩がさまざまな姿に形を変えこの世に現れること。応身。  最澄=「さいちょう」と読み、日本の天台宗を開いた仏教の僧。伝教大師最澄。[767-822]。  空海=「くうかい」と読み、日本の真言宗を開いた仏教の僧。弘法大師空海。[774-835]。  修験道=「しゅげんどう」と読み、山の中で修行をすること。役小角(えんのおづぬ)を祖とする仏教のひとつ。 

いわれ(歴史)と重要度

沙石集。   重要度=☆☆

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権現

権現(ごんげん)とは、かりに神となって現れることを意味しているようです。 日本には古くから天照大神などの神様がいましたが、これらの神様は、仏や菩薩が日本人を救うために、 神様の姿になって現れているという考え方のようです。例えば天照大神は大日如来や観音菩薩の化身、 八幡神を八幡大菩薩と呼んだり、また八幡神は阿弥陀如来の化身など、その他に、山王権現、熊野権現、蔵王権現、秋葉権現、春日権現、羽黒権現など、 山や土地の神様を仏菩薩の化身としたものが知られているようです。また、徳川家康を祭った東照大権現も良く知られています。

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神仏習合

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