●天魔外道

読み(ひらがな)

てんま げどう

意味

仏道をさまたげ、害を与えるもの。

解説

仏教に親しみを感じている人や、仏教を信じ修行をしようとしている人に対して、さまたげ害を与え、仏教から 遠ざけようとするもののようです。ひとつは、欲界の最上位で、その世界を仕切っている魔王が、仏道修行をさまたげ、 悟りに近づけないようにすることで、もうひとつは、仏教を邪教であると考える人が、仏教に関するものや、仏教を 信仰している者に対して、害を与え、結果的に仏教が広まることを、じゃますることだと思います。 一般に天魔は、外からくる魔と考えられていますが、音吉が思うには、天魔は、心の中に生じてくる魔であり、 方便として用いられるようになったのではないかということです。つまり、三昧の境地があらわれない欲界から出て、 色界の四禅や無色界の三昧から、悟りの境地へ到達することの難しさを、たとえにしたものではないかということです。

重要語の意味

天魔=「てんま」と読み、天子魔の略称。欲界の一番上にある他化自在天の魔王。波旬。パーピーヤス。  外道=「げどう」と読み、@仏教以外の教えを信じる人。A仏教を悪い教えであると考える人。  天=六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天)のひとつ。人間界の上にある世界。  魔=マーラの略称。人を迷わせ正しい道を歩ませないようにする悪いもの。  外=そと。ほか。はずれる。  道=@正しいすじみち。A方法。Bおしえ。  仏道=「ぶつどう」と読み、仏の説いた教えでその実践的な方法。仏の悟り。  欲界=「よくかい」と読み、三界のひとつ。淫欲、食欲などに支配された世界。三昧の境地があらわれないところ。  魔王=「まおう」と読み、他化自在天の主。波旬(はじゅん)。天女を連れて修行者を惑わすもの。  悟り=「さとり」と読み、迷妄な心を解脱して真理を知ること。物事を正しく見る智慧を得ること。涅槃寂静。  邪教=「じゃきょう」と読み、正しくない教え。世の中を悪くする教え。  信仰=「しんこう」と読み、神や仏を信じてその教えに従うこと。  方便=「ほうべん」と読み、教えに導くためのたくみな手段。  三昧=「さんまい」と読み、定(じょう)。心を静かにして乱さずひとつのことに集中すること。瞑想のひとつ。境地として四禅定、四無色定などがある。  境地=「きょうち」と読み、心の状態。心の中のありさま。  色界=「しきかい」と読み、三界のひとつ。欲界の上にある欲望を離れた清浄な世界。  無色界=「むしきかい」と読み、色界の上の世界で物質としての肉体を離れた精神だけの清浄な世界。  四禅=「しぜん」と読み、色界における禅定(三昧)の段階をあらわした境地。初禅、二禅、三禅、四禅。四静慮(しじょうりょ)ともいう。  仏教=「ぶっきょう」と読み、お釈迦さんが説いた教え。苦しみの原因とその解決方法を説いた教え。インドで栄え日本には大乗仏教として伝わった。 

いわれ(歴史)と重要度

梵網経・上。   人となる道。   重要度=☆    難易度=むずかしい

スポンサードリンク

天魔外道


.