●拈華微笑

読み(ひらがな)

ねんげ みしょう

意味

ことばを使わないで、心から心へ伝えること。

解説

お釈迦さんが悟った真理は、簡単には言葉で説明し尽くすことができないので、 そのことを伝える意味で、新たに作り出された禅の言葉のようです。故事としての物語は次のようなものです。 『お釈迦さんが晩年のある日に、大切な説法をするということで、大勢の人たちがその説法を 待っていました。すると、お釈迦さんは、その日に、信者から贈り物として受け取った蓮の花を手にとって、 ただ黙ったまま、大衆の前に指しだしました。そこにいた大衆は、何のことか全く分かりませんでしたが、 迦葉という弟子だけが、その意味を悟り、にっこりと笑いました。そして、お釈迦さんは、 「私の正しい真理と悟りの心は迦葉に伝えた」と言いました。』 お釈迦さんのこの日の大切な説法が、 「拈華(花をとり差しだすこと)」であり、迦葉の「微笑(ほほえむこと)」は、その法を悟ること、と いう意味があるのではないかと思います。また、迦葉は、その後の経典に影響を与えた第一結集を提言した人でもあるようです。

重要語の意味

拈華=「ねんげ」と読み、@花をつまみとること。A花をひねること。  微笑=「みしょう」と読み、ほほえむこと。「びしょう」とも読む。  拈=「ねん」と読み、@つまみとる。Aひねる。  華=「げ」と読み、花。金波羅華(こんぱらげ)。  微=「み」と読み、かすか。すくない。  笑=「しょう」と読み、わらうこと。  釈迦=「しゃか」と読み、古代のインドで真理を悟り、それに基づいて人々の苦しみを解決しようと多くの説法をした聖者。釈迦牟尼仏。  禅=「ぜん」と読み、仏教の真理を得ることを目的とし言葉で説明できない心の状態を体験したり体得したりする為の宗教。坐禅を主とする仏教の一派。  説法=「せっぽう」と読み、仏教の考え方や実践の内容を説き聞かせること。  迦葉=「かしょう」と読み、釈迦の十大弟子のひとり。物事に執着しない頭陀行を大切にした人。  第一結集=「だいいちけっじゅう」と読み、お釈迦さんの死後、教えが間違って伝わらないように、多くの弟子が集まって、その教えの内容を確認しまとめたこと。 

いわれ(歴史)と重要度

五灯会元(ごとうえげん)。   無門関(むもんかん)。   沙石集(しゃせきしゅう)。   重要度=☆☆☆

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拈華微笑