●盲亀浮木

読み(ひらがな)

もうき ふぼく

意味

大切なものに出会うことが非常に難しいことのたとえ。また、めったにないことのたとえ。

解説

本当に大切なものに会うことは、そう、簡単には起きない、ということと、ほとんどあり得ないような幸運にめぐり会うことのたとえ、のようです。 大きな海の底に住んでいる目の見えない亀は、寿命がとても長く、100年に1回だけ海の表面に上がってくるそうです。大きな海の上には、 穴のあいた木が浮かんでいて西へ東へと動いています。その木の穴に亀が入ることは、とても難しいことです。たとえば、亀が、10万年生きた場合、 浮木に出会うチャンスは、一生のうちで、1000回あり、浮いている木の穴に入る確率は、さらに低くなります。目の見えない亀が、浮いている木の穴に入ることは、 ほとんどあり得ないと言ってもいいかもしれません。もとは、この世に人間として生まれ、仏の教えに出会い、その教えを覚ることの難しさを伝えるために作り出された たとえ話のようです。つまり、@人間として生まれること。A仏の教えに出会うこと。B仏の教えを覚ること。という3段階の難しさが含まれているのではないかと思います。 さらに、このことをもう少し仏教的に考えてみますと、@とAは同じで、B仏の教えを信じること。C仏の教えを得るため努力すること。D仏の教えを覚ること。となると思います。 また、菩薩と言う立場から見ると、仏の教えを信じてから覚りを得るまでには、52または、54の段階があるようです。

重要語の意味

盲亀=「もうき」と読み、目の見えないかめ。  浮木=「ふぼく」と読み、海の表面に浮(う)いて動いている木。  出会う=「であう」と読み、ぐうぜんに会う。  難しい=「むずかしい」と読み、かんたんではないようす。  たとえ=あることを分かりやすくするために、よく知られていることを使って説明すること。  めったに=(下に打ち消しを伴って)ほとんど、、、ない。  亀=「かめ」と読み、かたい甲羅(こうら)でおおわれその中に足や頭を隠すことができる動物。寿命が万年と考えられている動物。  簡単=「かんたん」と読み、やさしい。  幸運=「こううん」と読み、よいできごと。  チャンス=めぐりあうのに最もよい時。  確率=「かくりつ」と読み、何かが起こる確かさを数字的にあらわしたもの。  仏の教え=「ほとけのおしえ」と読み、縁起による四諦。仏法。仏道。仏によって覚られ説かれたこと。  四諦=「したい」と読み、四つの真理。@苦。A苦の生起。B苦の滅尽。C苦を滅する方法。  覚る=「さとる」と読み、仏の教えがどのようなものであるかをしっかりと理解する。仏の教えを身を持って知る。  寿命=「じゅみょう」と読み、命の長さ。  段階=「だんかい」と読み、簡単なものから難しいものへ移っていく順番。  菩薩=「ぼさつ」と読み、仏教の真理を求め修行している者。信心を起した凡夫から始まる、十信、十住、十行、十廻向、十地などがある。 

いわれ(歴史)と重要度

雑阿含経・盲亀経。   法華経・二十七品。   涅槃経。   法句経・182番。   修証義。   大品般若経・大明品。   重要度=☆☆☆

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盲亀浮木


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