●冷暖自知

読み(ひらがな)

れいだん じち

意味

自分のことは、自分がよく知っていることのたとえ。

解説

水が冷たいか暖かいかは、水を飲んでみれば、自然と分かるということから、 このように表現するようです。 この熟語は、仏教の禅の言葉で、坐禅を体験した時、実際に身体で感じるものが、 どのようなものかをたとえる場合にも使われるようです。つまり、 つめたさとあたたかさの違いを感じるように、日常の凡夫の心と修められた座禅中の 心が、どのように違うのかを言葉ではなく、自分の感覚として感じ取ること ではないかと思います。別の表現をしますと、 坐禅がどんなものであるかを知りたければ、水を飲むように、とにかく坐ってみることだと思います。

重要語の意味

冷暖=「れいだん」と読み、冷たさと暖かさ。  自知=「じち」と読み、みずから知る。みずから覚(さと)る。  冷=つめたい。ひえる。  暖=あたたかい。やさしい。  自=みずから。おのずから。  知=しる。さとる。  自分=「じぶん」と読み、何かをするときのその人。  冷たい=「つめたい」と読み、温度が低いようす。  暖かい=「あたたかい」と読み、冷たくなくちょうどよいようす。  自然=「しぜん」と読み、意識することなくおのずから。  仏教=「ぶっきょう」と読み、四諦(苦集滅道)を説いた教え。  禅=「ぜん」と読み、瞑想を意味する禅那より生まれた言葉。  坐禅=「ざぜん」と読み、身を調え息を調え心を調えて身心の観察をすること。  体験=「たいけん」と読み、自分の五感と意識を通して経験すること。  感じる=「かんじる」と読み、@感覚を生じる。A心に思う。  違い=「ちがい」と読み、ちがうこと。  日常=「にちじょう」と読み、ふだんの生活。一般に受け入れやすいこと。  凡夫=「ぼんぷ」と読み、仏教を理解していない普通の人。  心=「こころ」と読み、常に変化しているもの。思い、イメージ、意志などがさまざまに転回していく。  修める=「おさめる」と読み、坐禅を身につける。  感覚=「かんかく」と読み、目と耳と鼻と舌とからだによって、それぞれの器官に対応した変化を受け取ること。  坐る=「すわる」と読み、坐禅をする。  熟語=「じゅくご」と読み、二つ以上の単語が集まって出来た言葉。  実際=「じっさい」と読み、本当の場合。現実にあること。 

いわれ(歴史)と重要度

無門関・第二十三則。    正法眼蔵・弁道話。   重要度=☆☆☆   難易度=ふつう

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冷暖自知


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