●浩然の気

読み(ひらがな)

こうぜん の き。

意味

何ものにも束縛されない、のびのびとした心。

解説

浩然の気は、言葉で説明することが難しいものですが、孟子は、この気を 育てていくと、天地の間に満ちあふれてくる、と言っています。また、 この気を養うには、正義と人道が備わっていなければならないとも言っています。 正義と人道は、孟子の漢文、読み下し文では、「義と道」と書かれています。 義は五常のひとつだと思いますが、道は何を意味しているのか、よく分かっていません。 また、「義と道」がなければ、この気は、しぼんでしまうとも言っています。 浩然の気と近い言葉として、荘子が説く天籟をあげておきたいと思います。

重要語の意味

浩然=「こうぜん」と読み、心が広くゆったりとしているようす。天が調和しているすがた。  気=「き」と読み、@人の生命力、精神。A気持ち。B性質。  束縛=「そくばく」と読み、人の行動の自由をうばうこと。  心=「こころ」と読み、感情や意志、思いなどが生まれてくるところ。  孟子=「もうし」と読み、中国戦国時代の孔子の教えを受け継いだ人の書物。  満ちる=「みちる」と読み、いっぱいになる。  養う=「やしなう」と読み、そだてる。精神力をきたえる。  正義=「せいぎ」と読み、道徳や道理として正しいこと。正しい道義。  人道=「じんどう」と読み、人が行うべき道。人の道。  備わる=「そなわる」と読み、身について持っている。  義=「ぎ」と読み、五常のひとつ。人として行うべき正しいこと。  道=「どう」と読み、いろいろな意味があり難しい。孟子の中で多く使われ、老荘思想にも使われている。  五常=「ごじょう」と読み、儒教で人の守るべき五つの徳目。仁義礼智信(じんぎれいちしん)。  荘子=「そうじ」と読み、中国戦国時代の荘周が書いた斉物論などを含む書物。  天籟=「てんらい」と読み、天のひびき。宇宙のすべてのものが調和しているようす。 

いわれ(歴史)と重要度

孟子(もうし)・公孫丑(こうそんちゅう)・上。   重要度=☆☆☆   難易度=むずかしい。

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