●怒りは敵と思え

読み(ひらがな)

いかりは てきと おもえ。

意味

怒りは、自分を滅ぼすものと思って、慎むべきである、という戒め。

解説

怒りの感情は、自分が正しくて相手が悪いという思いから起こり、その相手を嫌うことになる。 そうすると相手も自分を嫌うので新しい敵を作るのと同じ結果になる。また、怒りの感情は、 自分自身の考えをにぶらせ正しい判断ができなくなるから、結果的に自分を滅ぼす敵のような ものであるから、怒りをできる限り堪えることは大切なことである、と言うことらしいです。 このことわざは、徳川家康の遺訓の中の言葉のようですので、参考のために、 左の「関連コラム棚」に遺訓を載せておきました。

重要語の意味

怒り=「いかり」と読み、自分を正当化する為、他の人を悪く見たり非難したりすること。  敵=「てき」と読み、自分に害を与えるもの。  思う=心の中で判断して考えること。  滅ぼす=「ほろぼす」と読み、弱くおとろえさせる。なくしてしまう。  慎む=「つつしむ」と読み、@注意して軽はずみなことをしない。Aやり過ぎないようひかえめにする。  嫌う=「きらう」と読み、好まない。いやだと思う。  堪える=「こらえる」と読み、おごり高ぶり人を見下すことなくじっとがまんする。  にぶらせる=頭の働きなどを弱くさせる。  徳川家康=「とくがわいえやす」と読み、天下分け目の決戦関ヶ原の戦いで勝利し、1603年、江戸に幕府を開いた将軍[1542-1616]。  遺訓=「ゆいくん」と読み、世を去った後のことを考え、生きている間に書きとめ、後の人がうまくやってゆくように教訓として残したもの。 

いわれ(歴史)と重要度

徳川家康の遺訓。    重要度=☆☆☆

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関連コラム棚

徳川家康の遺訓

人の一生は重荷を負て、遠き道を行くが如し。 急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。 堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思へ。勝つ事ばかり知りて、負くる事を知らざれば害その身に至る。 己を責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。

遺訓の意味

人の一生は重い荷物を背負って遠い道を歩いて行くようなものである。 急いではいけない。自由にならないことがあたりまえのことだと思えば全てが満足できる。 心の中に望みが起きたならば、非常に困った時のことを思い出せ。 耐え忍ぶことは、健康でおだやかな状態を長く続けるもとであり、怒りは自分に害を与えるものと思え。 勝つことばかりにこだわって負けることを受け入れられなければ悪い事が身の上に起こるであろう。 自分を責めて他人を責めてはいけない、慎むことはやり過ぎることより勝れているからだ。

怒り
[01]→02