●由らしむ可し、知らしむ可からず
読み(ひらがな)よらしむべし、しらしむべからず。 |
意味人民を為政者の定めた方針に従わせることはできるが、 全ての人民に、なぜこのような政策が定まったかを理解させることは難しい、ということ。 |
解説このことわざは、論語の中の言葉で、原文は次のようなものです。 「民は之に由らしむ可し、之を知らしむ可からず。」「之」とは、 「政治を行う者の方針」です。このことわざは、「可し」の語を 可能と取るか、命令の意味に取るかによって、2つの意味があるようです。 漢字の「可」には、可能の意味しかありませんので、命令として解釈するのは 誤りのようです。
可能と取る場合@政策に従わせることはできるが、その理由を知らせることはできない。 |
重要語の意味由る=「よる」と読み、従う。応じる。たよりにする。 可し=「べし」と読み、推量の助動詞。@できるの可能をあらわす。Aするべきの命令をあらわす。 知る=「しる」と読み、わかる。理解する。 しむ=助動詞。他に動作をさせる意。 しむ可し=「しむべし」と読み、@させることができる。Aさせなさい。 しむ可からず=「しむべからず」と読み、@させることができない。Aさせてはいけない。 人民=「じんみん」と読み、社会の人々。為政者の支配下の人々。 為政者=「いせいしゃ」と読み、政治を行う人。 定まる=「さだまる」と読み、きまる。 方針=「ほうしん」と読み、これから先どのようにするかの方向。どのように行うかの考え。 従う=「したがう」と読み、定められているようにする。 政策=「せいさく」と読み、政治を行っていく時の方針。 理解=「りかい」と読み、知ること。あることについてわかること。 難しい=「むずかしい」と読み、わかりにくい。 論語=「ろんご」と読み、儒教の祖孔子とその弟子とのやり取りを記した本。 原文=「げんぶん」と読み、もとの文章。 之=「これ」と読み、為政者の方針。 可能=「かのう」と読み、あることが実際にできること。 命令=「めいれい」と読み、あることをするように言いつけること。 漢字=「かんじ」と読み、中国で使われていた文字。 解釈=「かいしゃく」と読み、意味を明らかにすること。 誤り=「あやまり」と読み、まちがい。 理由=「りゆう」と読み、なぜそのようになったかのわけ。 べき=義務付の意味。 便利=「べんり」と読み、都合がよいこと。 不確実=「ふかくじつ」と読み、確かでないようす。はっきりしないようす。あいまいなようす。 可=ゆるす。べし。できる。よい。 |
いわれ(歴史)と重要度論語・泰伯(たいはく)。 重要度=☆☆☆ 難易度=むずかしい |
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